ハンドロード 動画

活字鉛を鋳造して散弾銃用の弾頭を作る

弾頭の作り方です。

 

モールド選び

口径が20番か12番かで使用できるモールドは変わってきます。

12番の方が選択できるモールドが多いようです。

3Dプリンタがあれば20番の弾頭も12番で使用できますが、最近はやりの弾頭にワッズを付けるタイプのワッズは本来のパフォーマンスが発揮できないかもしれません。

ロシアのSvarogはどんどん新しいタイプの弾頭モールドを作っていますが、新しい弾頭はまず12番から発売されるようです。

 

さて弾頭のタイプですが、フォスター型は今の時代あまり人気がありません。

散弾銃はスムースボアなので弾頭に回転が加えられないため、発射された弾のバランスを安定させるには頭が重くて尻が軽い方が良いそうです。

フォスターは尻に穴が開いているから弾頭の頭の方が重いとはいえ弾頭に長さがないので飛行中のバランスはそれほど良くないのかもしれません。

Lymanのサボットスラッグは頭が重くて尻が軽いバトミントンのシャトルに似た形状なので精度はまずまず良いです。

 

今流行りなのは弾頭の尻にワッズをくっつけて弾頭の長さを稼ぐタイプのSvarogのモールドです。

銃口から放たれても弾頭にワッズがくっついたままなので、弾頭の頭が重くて尻が軽くて長さもあるといったバランスの良い弾が飛んでいきます。

ただ専用のワッズが必要になるので、それが手に入らないと期待していた通りの精度が出なくなると思います。

 

色々種類がありますが結局自分が使いたいと思える弾頭形状のモールドで試行錯誤しながら自分で満足のいく弾が作れれば良いのだけれどね。

私は当たると評判のSvarogのParadoxなども持っているけれど、現在使っているのは50口径弾頭ばかりだし。

 

現在ロシアは紛争中だしアメリカは銃から弾さらにリロード用品も不足しているなど、ハンドローダーにとっては辛い時期なのでモールドは容易に手に入らないかも。

 

 

活字鉛を使用する理由

鉛といっても純度が99.9とかじゃなければさまざまな物質が混ざっています。

スズが多いようですが、他にも良くわからない物質が混ざっていたり。

鉛板や釣りの錘や管などは大体スズが混ざっていますね。

スズの比率が高いと重量は少し軽くなるし鉛は非常に柔らかくなります。

 

狩猟で使用する弾頭は柔らかいに越したことはないので、鉛弾が禁止されていない地域では鉛、禁止されているならスズを使用する事になるかと思います。

 

私があえて活字鉛を理由は鉛にアンチモンが含まれているからです。

以前50口径弾頭を純鉛で作成していた時はBPIの青ワッズを使用していたのですが、マト紙の弾痕がマルではなく5角形でした。

なんでかなーと思っていたのですが、原因は銃身内でワッズが押さえつけられる時の圧で弾頭がワッズの爪の形で変形していたからでした。

 

そこで弾頭で使用する鉛にアンチモンを入れようと考えたのですが、アンチモンってどこで手に入れるんすか?でした。

色々調べたら活字鉛にはアンチモンが含まれている、ということで活字鉛を使用することに。

今の時代活字鉛の生産はしていないでしょうから、ヤフオクやメルカリなどで中古品を購入することになります。

値段も1kgあたり400-500円と悪くない値段です。

スクラップ屋で板鉛を購入すれば1kg200-300円、ネットで純鉛を購入すれば1kg1000円ってところです。

 

活字鉛で作成された弾頭は純鉛より硬さはあるけれど硬すぎるというほどでもない。

手元からコンクリに落ちれば少し変形します。

BPIの青ワッズを使用しても弾頭が変形することも無くなりました。

現在は3Dプリントしたオリジナルワッズで遊んでばかりですが、弾頭は活字鉛で作っています。

活字鉛で作った弾頭は弾頭のヒダかがビシっと作られるんですよね。

純鉛だと少し丸みが出ちゃう。

 

純鉛と活字鉛は硬さも違うけど重量も異なります。

純鉛だと320グレイン付近で作れるモールドで作った弾頭が活字鉛だと290グレイン付近です。

活字鉛にはアンチモンの他にスズなども含まれているようです。

 

鋳造で使用する道具

鉛を溶かす容器に100円ショップセリアで購入した「シエラカップ」

オタマで鉛をすくうのは問題ないのだけれど、鉛が減った時はオタマですくいにくくなる。

あと容器が250mlくらいだから一度に作れる鉛液が当然少ない。

コスパ抜群なので買い替えても痛くない。

 

熱源はAmazonで購入した「電気ミニストーブ」

以前はLEEの電気ポットを使っていましたが鉛を落とす穴に不純物が詰まって取り除くを繰り返していたら穴がガバガバになって鉛が常に落ちるようになってしまいました。

レギュレーターストーブを使用したりもしていましたが暑いし火や燃料の管理にも気を使う、定期的なポンピングも面倒なので使用をやめました。

現在は電気式のシエラカップサイズのミニストーブを使用しているので使用中も暑くないし他の用途でも使えて便利。

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モールドに鉛が付かないように「ベビーパウダー」

モールドにパウダーを付けると弾頭が取れやすくなります。

ポロッと落ちるほどにはなりませんが、モールドの側面をハンマーでコツコツ叩けば簡単に取れます。

パウダーなしでもパウダー付きと同じように取れる事も少なくないですけれど、たまにモールドに弾頭が強烈にくっつく事が。

パウダーを付けるか付けないかは好みもあると思います。

パウダーを付けると弾頭の表面がザラザラになったりするし。

パウダーは鉛液で焦げるし。

 

ベビーパウダーを付けるのに「筆」

化繊はダメです、モールドの熱ですぐに溶けます。

 

鉛を掬う「先細オタマ」

そこそこ小さくて薄くて先がすごく細いおたまが欲しいです。

スプーンで自作しようとしたけれどスプーンだと微妙に容量が足りなかった。

 

不純物を掬う「穴あきオタマ」

穴の目が細かいものより、そこそこの大きさの穴がある方が使いやすい。

 

弾頭や不純物を入れる「ステンレストレー」

100円ショップで小型ステンレストレーが100円、大型なら300円。

小型はたくさん、大型は3枚はあると便利。

ハンドロードをするのに無くては困る存在。

 

モールドから取り出した弾頭や入口の鉛塊を落としておくトレー、検査で合格した弾頭を入れるトレーと分けると便利。

 

アツアツ弾頭を掴む「ペンチ」

上記トレーからトレーの移動でも使うし、弾頭の形状を確認するのでも使う。

耐熱手袋をしていてもアツアツ弾頭を掴めばそれなりに手があつくなってくるので。

 

私は出来上がった弾頭を急激に冷やすために水に入れたりしません。

水に入れるとカルキ?白いのが付くから。

 

 

弾頭のバリ

弾頭にバリが出る箇所はモールドの接合箇所。

これはモールドの取手をしっかりと握り込めばほとんど出ない。

出ても非常にうっすいバリで爪でカリカリすれば取れる。

 

厄介なのが鉛注入口側にできるバリ。

これはモールドへ鉛を入れる口だったり底(頭)を平らに塞いだり穴の鉛を切ったりするフタ?

これがモールドを何百回と使用していると、ハンマーで叩いたりしているものだからモールドと接合しているネジ歪んでくる。

フタのネジを閉めすぎるとフタの開閉が大変になるし、緩いとバリがすごい。

手元にドライバーも用意しておいた方が良いですね。

 

私の使用しているワッズは弾頭の溝ほぼピッタリサイズなのでバリはしっかり取らないといけません。

 

バリはカッターナイフで削ることができるので基本カッターで削ります。

カッターだと綺麗に削れます。

 

バリがガッツリ付いている場合はボール盤にヤスリをつけて削ります。

たまに削りすぎちゃうので慎重に。

 

それでも弾頭がワッズに入らない場合があります。

それは弾頭が膨らんでいるパターンですね。

モールドをしっかりと閉じていないと横に膨らみます。

弾頭の膨らみはどうしようもないので破棄ですね。

 

 

弾頭に穴を開けて重さを揃える

鋳造した弾頭は鉛の純度が一定ではないのでどうしても重さにバラツキが出てしまいます。

 

以前は弾頭の尻をカッターで削ったりして弾頭の重さを調整していたのですが、現在の弾頭を狩猟で使うと弾が貫通してしまうといった問題がありました。

なので弾頭の頭に穴を開けて弾頭が割れやすい状況にしつつ弾頭の重さも揃るようにしていました。

弾頭は丸みを帯びているのでセンター出しに新潟精機のSK センターファインダーを使用。

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ケガキ針で印をつけ

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センターポンチでセンターに凹みをつけ

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ボール盤のドリルで穴を開けてました

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しかし、このやり方は時間がかかるのとセンターもズレるので、他に良い方法はないかと模索してみましたが全然ダメ。

そして弾頭は丸いので平らなバイスで挟んだだけでは摩擦抵抗が稼げません。

弾頭は緩いと回転してしまうし、きついと弾頭が変形してしまうし結構大変。

なのでこんなバイスを買ったりしましたがダメでした。

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しかし現在は3Dプリンターを入手したので

 

簡単に弾頭の頭のセンターに穴を開ける事ができる治具を作成できるようになりました。

 

ボール盤にはミニバイスの他にマイクロクロステーブルを取り付けて、前後左右の微調整ができるようにしています。

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弾頭に穴を開ける際には切削オイルを塗らないと、ドリルの刃が弾頭に食いついてしまい弾頭が回転してしまいます。

 

たまにドリルに付着したカスを取り除いてあげてください。

 

これが純鉛だとドリルで削った時に粗いカスが出るのではなく、ドリルの溝に沿って鉛から2本のヒモ(ドリルの溝が2つ)がニョロニョロ出てきます。

そして穴に鉛のヒモが残ってしまったり。

とにかく鉛は粘っこいので穴を開けるのは面倒です。

その点活字鉛は穴を開けやすいです。

 

穴を開けすぎて弾頭の重量が軽くなってしまった場合は、穴に削りカスを入れてからリューターに取り付けた3mmより小さい丸いヤスリでカスを弾頭に圧着させます。

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弾頭の重さがまだ削り足りないけれどあと少し、といった場合は別途ハンドドリルで穴を掘ります。

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最後に一言

ハンドロードをするならボール盤と3Dプリンターがあればかなり便利です。

どちらも持ってないならまずはボール盤を購入しましょう。

ミニボール盤はパワーが弱いので買うと後悔します、注意。

 

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