ハードケースに求める条件
銃の収納方法によって必要なケースのサイズは異なる。
ケース収納時に銃身を外すのが億劫でなければケースの横幅は短くても良い。
ただし縦幅がその分必要になってしまう。
私は銃身を外せないMSS-20をハードケースで運搬したいので、銃身を外さずに済む十分な横幅があるケースを探す事にした。
ケースの内部寸法
私の所持している銃の全長はMSS-20が1187mmでM870が1181mmなので、どちらの銃も少し余裕をもって収納できるようケースの内部寸法(横幅)は1200mm以上を条件とした。
ケースの外部寸法
「スーパーキャリイ」の車内キャビンにハードケースを収納できるかどうかという事も重要である。
公式では「スーパーキャリイ」のキャビンは横幅が1235mmで奥行きが250mm。
内部寸法1200mm以上、外部寸法1235mm未満、奥行250mm未満などといったハードケースは存在しないだろう。
だが私は知っていた。
スーパーキャリイのキャビン横幅1235mmとはキャビンの下のほうで出っ張っている工具収納スペースまでの床部分での横幅で、工具収納の上で寸法を計測すれば横幅が1320mm程度あるという事を。
また奥行は公式では250mmであるが、シートの位置と角度を調整すれば奥行320mmまでは問題ない。
外寸(横幅)1320mm未満、奥行320mm未満を外寸条件としたが、さすがにギリギリのサイズにしてしまうとキャビンに入れる際に難儀しそうなので、若干の余裕は欲しいところである。
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条件に合うハードケースを探してみた
内寸1200mm以上、外寸1320mm未満、奥行き320mm未満の商品を探してみたが条件に合う商品は非常に少なかった。
MILITARY-BASE(ミリタリーベース) ABS ライフルキャリングケース ロング120cm
内寸1200mmm、外寸1235mm、奥行265mm
MILITARY-BASE(ミリタリーベース) ウォータープルーフ ロングハードガンケース 30L 122cm
内寸1220mm、外寸1280mm、奥行300mm
PLANO(プラノ) SE シリーズ ライフルケース 1228mm
内寸1215mm、外寸1228mm、奥行297mm
birchwood ALUMALOCK CASE アルマロック ガンケース
内寸1220mm、外寸1240mm、奥行250mm
SKB iSeries 4909 Single Rifle Case
【ebay】
SKB iSeries 4909 Single Rifle Case by ebay
内寸1241mm、外寸1283mm、奥行295mm
世界中を探せばもっと条件に合った品は出てくるだろうが、さすがに1点1点の寸法を調べるのは骨が折れるのでこの辺りで止めておいた。
この中で私が実際に購入したのは「SKB iSeries 4909 Single Rifle Case」である。
SKBは日本では販売していなかったのでebayで購入した。
商品価格が$125位+送料$57+チャージ$23で合計$205.68。
購入してから自宅に届くまでは11日間。
この品を購入する決め手となったのは、SKBのiSeriesは衝撃強度が競合製品の2.8倍あるらしいから。
銃に光学機器を搭載したまま運ぶ事になるので、できるだけ衝撃に強いケースが良い。
多少高くても良いものを買ったほうが長く使えるので結局お得。
SKBのライフル用ケースでまっさきに欲しいと思ったのは2R4909-5Mと2R4909-5Tだったのだが、残念ながら外寸と奥行が微妙にオーバーしていた。
このようにおしいサイズの商品は結構あった。
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SKB iSeries 4909 Single Rifle Caseを購入した
SKBといえば真っ先に銃メーカーかアイドルグループを思い浮かべるが、このSKBは楽器ケースなどを製造しているアメリカのメーカーである。
アメリカのSKBサイトよりEUのSKBサイトのほうが非常に見やすいのでおすすめ。(EUサイトは内寸の他に外寸も記載されている)
iSeries 4909 Single Rifle Caseの性能など
iSeries 4909 Single Rifle Caseの型番は3i-4909-SR。
3iはiSeriesの事らしい。
4909は横幅49インチ、奥行9インチ。
SRはSingle Rifle。
iSeriesは射出成型?の防水ケースで、超高強度ポリプロピレンコポリマー樹脂で作られている。
防水・防塵性能はIP67。
自動大気圧均等化機能が備わっているそうなので、飛行機での運搬も可能。
MIL-STD-810Fに準拠したUV、溶剤、腐食、および真菌に対する耐性。
ヨーロッパのほうではブラックの他にもタンやODがあるようだ。
2つ目を購入するならケースの色を分けるのも良いかもしれない。
また内側の高さが大きい(外寸は同じなのでスポンジが薄い?)3i-4909-SR-4なるものもあるようだ。
外観など
商品購入時に紙が強力なボンドで張り付けられていたのだが、このボンドが固着して取れないのでノリハガシを使用したところケースが若干溶けてしまった。
プラケースの見た目はピカールやプラスチック磨きで擦れば綺麗になるので気にしない。
付いていた紙はこれ。
SKBのケースはMADE IN U.S.Aなので安心感がある。
ラベルに記載されているとおり、この商品はIP67なので雨の日でも安心して銃を運搬できる。
ケースのロックは4か所で4か所に鍵をかける事ができる。(鍵は付属していない)
航空機で運搬するにはケースを預ける必要があるが、鍵をかけるなら万が一に備えてTSAロックにしておくのが無難か。
これが自動で圧力を調整してくれるのかな?防水用?
くるくる回す事ができる。
内部のクッションは一見柔らかそうだが弾力がしっかりしているので、銃をがっちりとホールドしてくれる。
スポンジが銃を圧迫してくれるので、フタを閉める時は緩く閉まる感じではなく、ギューっと押し付けるような感じになる。
下側のクッションは高さが均一ではなく、ケース左側(銃口側)はクッションが高く、ケース右側(銃床側)はクッションが低くなっている。
ホロサイトを搭載したままでもM870を収納する事ができる。
ホロサイトを外せば銃身を真横に向けて収納可能。
銃口はケース左側(画像では反対から撮影しているので右側)にしないと収納できない。
ATN X-Sight IIを搭載したままでもMSS-20を収納可能だがかなりギリギリである。
スコープ、ボルト(閉じて降ろした状態)、チークレストにより厚みがかなり出てしまうのだが、フタを閉めてロックする事はできる。
ライフルケースを車に搭載してみる。
もちろんケースの中には銃は入っていないのであしからず。
スーパーキャリイに入れてみる
スズキのスーパーキャリイのキャビンである、床の横幅は1235mm。
床に直置きしようと思っても横幅が足りない為ケースが斜めになってしまう。
何故なら工具入れが出っ張っているから。
そこでホームセンターなどで売っている野菜コンテナなどを床に置き底上げをする。
コンテナには射撃場で使用するような荷物は全て収納できるのでおすすめである。
工具入れより上側は横幅は1320mmになるのでライフルケースは問題なく入れる事ができるようになる。
ただしまっすぐそのまま入れようと思っても入らない。
入れる際にはキャビンの運転席側のコンテナの窓付近にケースを付けたら、助手席側の壁に付いているシートベルトをケースを持ち上げるようにして上からかわす必要がある。
収納が終わったら助手席のシートを元に戻せば、急ブレーキをかけてもコンテナやケースが滑り落ちてくるような事はない。
最後に一言
購入したSKBの寸法は(内寸1241mm、外寸1283mm、奥行295mm)、スーパーキャリイのキャビン(1320mm、320mm)より小さいので余裕のあるサイズのはずだ。
しかしキャビンにケースを入れる際は助手席側のシートベルトが邪魔とはいえ、かろうじて入れられている気がしないでもない。
内寸は予定より41mm大きくなったので銃の前後にかなり余裕がでるはずなのだが、スコープを付けた状態のMSS-20を入れると前後の余裕はかなり少なかったので助かった。
実物を見る事ができない、日本でのレビューが全くないような商品を購入するというのはかなり勇気が必要だったが、結果的にはSKBを購入して大正解だった。
もしSKBに対抗で購入するならミリタリーベースのウォータープルーフ ロングハードガンケース 30L 122cmかな。
サイズも丁度良いしロックもしっかりしてそうだし防水でしかも安い。
手ごろな値段でハードケースの購入を検討しているならありだと思う。