クレー射撃の種類と使用する銃
クレー射撃は3種類あります。
【トラップ射撃】【スキート射撃】【ラビット射撃】
すべてクレー放出機から発射されたクレーを割る競技なのですが、それぞれクレーの飛び方が異なります。
トラップは手前から奥へ向かってクレーが放出。
スキートは2台のクレー放出機から同じ地点へ向かってクレーが放出されるが、射台によってクレーが飛んでいく方向が変わるので撃ち方が異なってきます。
ラビットはスキート射場で行いますが射台が少し異なるのと、クレーは地面を転がってきます。
クレー射撃に行くと9割以上の人が上下2連式を使用しています。
上下2連式はトラップ射撃ならトラップ用、スキート射撃とラビット射撃ならばスキート用。
それぞれ各クレー射撃競技に特化した造りになっているので、クレー射撃をメインでやりたいなら上下2連式の専用銃が第一候補の銃になるので当然です。
どちらの競技もやりたいのであればトラップ銃、スキート銃をそれぞれ中古で購入しても10万円~20万円未満です。
交換チョーク式の上下2連銃もあります。
チョークを交換すれば初矢と二の矢のそれぞれの絞りが自由に変えられますので、どのクレー射撃も1つの銃で楽しむ事もできます。
猟友会の射撃大会などでは1つの銃でトラップ・スキート・ラビットを行う必要があるので、交換チョーク式の上下2連式は有利です。
それでは狩猟用の自動装填式やポンプアクション式ではクレー射撃は不利なのか?
不利です
まず狩猟用の20インチのように銃身が短い銃の場合は狙いが安定しません。
そして銃身は1本なので初矢と二の矢の絞りは同じになります。
上下二連式と比べると回転不良(ジャム)のリスクもありますので、二の矢が撃てないなどという事もあります。
しかし狩猟用の銃でも十分クレー射撃を楽しむことができます。
狩猟で鳥撃ちを行うなら(銃身が長いほうが良いですが)トラップやスキートを練習したほうが良いですし、大物猟を行うならスキートやラビットを練習したほうが良いです。
交換チョーク式の銃身ならばチョークを交換すればトラップ射撃もスキート射撃も可能です。
スラッグ銃身でもスキート射撃やラビット射撃を楽しむ事ができます。
残念ながらサボット銃身はクレー射撃には全く向いていません。
射撃場での服装やマナー
射撃場の服装は射撃用か狩猟用のベストを装着、サンダルはNG、電子イヤーマフ(耳栓だと声が聞こえない)を装着。
ベストはポケットに実包が25発入るもの、またはショットシェルポーチを装着して実包をすぐに取り出せるようにしましょう。
日差しが眩しい射撃場ではベースボールキャップをかぶるか、シューティンググラスを装着したほうがよいでしょう。
実包は(実包の箱に入れたまま)机の上などに放置しないようにしましょう、他人のものと区別がつくケース等に入れて管理しましょう。
射台に入り自分の順番になるまでは実包を装填しない、順番がくるまでは薬室を開放しておく(上下2連は銃身を折る)事が最低限のルールです。
銃口はどのような場合でも絶対に人に向けてはいけません。
実包を装填し薬室を閉じる際は狩猟では銃口が地面に向くように行いますが、射場では地面がコンクリートだったりするので銃口が空(斜め上)に向くように行います。
一度実包を入れて構えたものの、やっぱり一息つきたいような時には薬室を開放する(銃身を折る)癖をつけましょう。
射撃後はすぐに脱包を行い薬室を開放しましょう。
排莢された薬莢は無理に拾わなくても問題ありません。(射台に落ちていて邪魔だったら拾って捨てる程度)
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トラップ射撃
使用できる実包は7.5号より小さい粒であれば問題ありません、スキート用の9号でもプレイ可能。
国際ルールでは15m射台を使用し、フィールドでは10mとダブルトラップ用の5m射台を使用します。
最大6名まで同時にプレイ可能です。
プレイは1番目の人から順に行い最後に5番の人がプレイしたら1ゲーム目が終了。
自分のプレイが終わり次の射台の人のプレイが終わったタイミングで次の射台との間へ移動し、次の人の次の人が終わったら次の射台に移動するイメージです。
5番射台が終わったら6人であれば6番へ移動、5人であれば1番射台へ移動します。
各射台にはマイクが設置されており、自分の番になった時にクレー発射のコールを行うとクレーが発射されます。
コールはどのようなものでもかまいません「ハイ」「プル」「ア」「ハ」などさまざまです。
クレーはまっすぐ前方、右斜め前方、左斜め前方にランダム(といっても各方向に飛ぶ枚数は決まっている)で飛んでいきますので、素早く狙いを付けてクレーを撃ち落としましょう。
1枚につき2発まで発射する事ができます。
二の矢を撃つ頃にはクレーが遠くに移動していますので、トラップ用上下2連式は2発目の絞りがフルになっています。
公式
クレーの飛距離が76mで角度も45度とキツメです。
25ゲームが終われば終了。
射台は15mです。
1回のコールで1枚のクレーが発射されます。
交換チョーク式での使用チョークはインプモデかフル。
ジャパン(JCSA)
クレーの飛距離は65mなので公式よりは難易度が緩い。
25ゲームが終われば終了。
他は公式と同じ。
フィールド
射台は10mで発射角度も緩い。
20ゲームが終われば終了。
他は公式と同じ。
トラップ射撃の中で最も難易度が低い。
フィールドダブルトラップ
射台は5mで一度のコールで2枚のクレーが発射されるので難易度は高め。
20ゲームを行うので計40枚のクレーを撃つことになります。
ダブルトラップは上下2連銃のように初矢と二の矢の絞りが異なっていないと2枚とも割る事は難しいと思います。
銃身1本の狩猟用銃ではフルチョークを使用し1枚目は9号、2枚目は7.5号と実包を変えるなどで対応するしかない。
狩猟用の銃で遊ぶならフィールド10mがおすすめ。
クレーの速度もゆっくりで飛ぶ角度もきつくないので遊ぶのに最適です、
フルチョークであればじっくりとクレーを狙って割る事ができます。
フィールド競技では白いクレーを使用する場合があり、ルールでは白いクレーに発砲をすると減点となる。
ちなみに自動装填式やポンプアクション式のような3発装填できる猟銃専用の「トリプルトラップ」という競技もあります。
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スキート射撃
スキート射撃で使用できる実包は9号です。
国際ルール、ジャパンルール、フィールドルールがあります。
トラップ射撃のようにプレイヤーが各射台に分散して待機やプレイをするのではなく、プレイヤー全員が同じ射台で順番にプレイし最後の人が終わったら全員で次の射台へ移動します。
射手以外は後方の待機スペースで待機。
1番射台と2番射台の間からのマーク
4番射台からのセンターポールと8番射台
7番射台からのプール
射台は1番から8番までありますが、8番射台を使用するのは国際ルールとジャパンルールです。
狩猟用の銃でお手軽に楽しめるのはフィールドルールになります。
ジャパンルール・国際ルールでは1ゲームで25枚のクレーが発射されますが、フィールドルールは1ゲームで20枚のクレーが発射されます。
それぞれのルールで各射台で射出されるクレーの順番も異なります。(例:6番射台 フィールドP・M、ジャパンP・M・MP、国際M・MP)
国際ルールとジャパンルールはクレーが発射されるまで裾銃する事ができませんが、フィールドルールでは裾銃したままコールできます。
またフィールドルール、ジャパンルールはコールしたら(プラーさんの反応が早ければ)すぐにクレーが発射されますが、国際ルールはコールしてから~3秒のうちランダムでクレーが発射されるので精神的にも難しいです。
8番射台の少し奥には白いポールが2つ並んでおり、「プール」から放出されるクレーは奥のポールの上を飛ぶようになってます。
※フィールドルールの場合。射場によってはフィールドでもポールが1本だったりする
「マーク」から放出されるクレーは手前のポールの上を飛ぶようになってます。
センターポール
「プール」より「マーク」のほうがクレーが放出される位置が高いです。(下の放出口はジャパン、国際)
※射場によって異なる、下の放出口しかない射場もある
フィールドルールでは1番射台から7番まで使用します。
1ラウンド10ゲームで1ゲームでプール・マークから各1枚クレーが発射されますが、1・2・3番射台は2ゲーム、4・5・6・7番射台は1ゲームを行います
射台に入ったら実包は2発装填します。
1ゲーム目の1番射台では1回目のコールではプールからクレーが1枚発射され、2回目のコールではマークからクレーが1枚発射されます。
続けて順番は交代せずに1番射台で2ゲーム目を行いますが(2発装填をする)、ここでシングルルールかダブルルール(事前にプラーさんに申告)かでクレーの発射タイミングが異なります。
シングルルールでは1ゲーム目と同様、1回目のコールではプールからクレーが発射され、2回目のコールではマークからクレーが発射されます。
ダブルルールでは1回のコールでプール、マークからそれぞれクレーが発射されます。
当然マークから発射されるクレーはプールのクレーを割ったタイミングではかなり移動しているので素早く狙いを付けて撃ち落とす必要があります。
2・3番射台も1番射台と同じように2ゲーム行います。
4番射台から7番射台まではシングルで1ゲームのみです。
スキート射撃の難しい所は射台によってクレーを割る為に狙う位置が異なる点です。
トラップ射撃のように照星がクレーを追い越したタイミングで引き金を引けばクレーが割れるほど単純ではありません。
1番射台のプールは上から前方へ向けて発射されるのでクレーの真下(照星がクレーを追い越したら)を狙えば割る事ができます、トラップと感覚が同じです。
しかし4番射台ではプール・マークともにクレー進行方向の1m以上先を狙わなければクレーを割る事ができません。
このように射台によって狙う位置を変える必要があるし、クレーもかなり早く飛んでいくのでじっくり考えて狙う事ができません。
スキート射撃は各射台でクレーを狙う位置を覚えるゲームです。
クレーを割るにはクレーが到達する未来の位置に向けて撃つ必要があります。
何も無い位置をただ狙って撃つ訳にもいかないので、やはりクレーを追って撃つ必要があります。
銃を振るタイミングが遅れても良いような位置(射出口とポールの位置を目安に自分で狙いやすい位置を探る)を狙って裾銃。
クレーが発射されたら照星でクレーを素早くトレースするよう追い越す。
クレーを追い越し各射台のクレーを撃つ位置まで照星が来たら銃の動きを止めないでそのまま引き金を引く。
クレーは割れる。
クレーの発射はコールを聞いたプラーさんが手動で行っているので、タイミングがプラーさんによって微妙に違います。
風が吹いているとクレーがホップしたりするので若干難易度はあがります。
ポンプアクション式(特にボルト式)ではダブルルールは難しいですが、姿勢を崩さずに素早く二の矢を装填・射撃を行う練習になりますので努力しましょう。
ポンプアクションでもダブルは十分落とせます、ダブルが落とせるようになると狩猟でも素早く連射して2発ともに獲物に命中させる事もできるようになります。
自動装填式はダブルも問題なく遊べると思います。
素早い裾銃も狩猟では重要なので、フィールドルールでスキートの腕があがったらジャパンルールも挑戦してみましょう。
ラビット射撃
ラビット射撃で使用できる実包は9号です。
チョークはシリンダーを使用しましょう。
プレイできる射撃場があまりありません。
猟友会の大会では地区予選ではラビット射撃がなくとも、全国大会ではラビット射撃がありますので練習できる機会にやっておきましょう。
トラップ射撃やスキート射撃と比べると難易度は半分もありませんので満射も簡単に狙えます。
競技フィールドはスキート射撃の3番射台から5番射台まで使用します、3番と4番の間の射台、4番と5番の間の射台が追加されていますので合計5つの射台ゲームを行います。
8番射台奥のポールの辺りが中心で、左・中・右に壁(丘)が配置されています。
1回目のコールをすると左の壁裏から中央の壁に向かってクレーが転がってきます、真ん中の壁に到達する前にクレーを割りましょう。
2回目のコールをすると右の壁裏から中央の壁に向かってクレーが転がってきます、真ん中の壁に到達する前にクレーを割りましょう。
時々クレーが地面にあるクレーの破片などで跳ねます。
3番射台、3番射台3番と4番の間の射台、4番の射台、4番と5番の間の射台、5番の射台、3番射台・・・と射台を移動し、合計20枚のクレーを狙います。
1枚のクレーに対しては1発のみ発砲できます。
ラビット射撃は転がっているクレーが見えている時間が短いので、すばやく狙いを付けて撃つ必要があります。
プレイ料金はトラップ射撃・スキート射撃よりちょっとだけ高いです、クレーが転がりやすいよう錘が入っているためです。
最後に一言
狩猟用の銃でクレー射撃を楽しむならスキート射撃がどのような銃でも遊べるのでおすすめです(ハーフライフル銃は除く)。
交換チョーク式であればどのクレー射撃も楽しむ事ができますが、トラップ射撃はスラッグ銃身では当てられる気がしません。
50mでゼロインをしているドットサイトを搭載したままでもクレー射撃を行う事もできます。
銃本体が重くなるので疲れますが、スラッグ銃身などの小さい照星で狙うよりはクレーを割りやすいかもしれません。
なるべく実猟に近い形で遊んだほうが猟の練習になって良いと思います。
大物猟の練習にはランニングターゲットが最適ですが、ラビット射撃でも十分練習になります。
射場にラビット射撃が無ければスキート射撃をお勧めします。
トラップ射撃は鳥撃ち用。
大物猟を行う場所ではよくヤマドリに遭遇します。
5号実包を2発ほど持参していればついでにヤマドリ猟も楽しめそうです。(獲れるとは言っていない)
ヤマドリ猟はスキート射撃とシチュエーションが似ているので、スキート射撃の練習をしておいて損はありません。
ただしヤマドリはスキート射撃のクレーより断然速いので難易度は何倍も高いですが。