写真撮影、動画撮影ができるスコープATN-X-sight II HDと、X-sightI IIと連動する事が可能なLaserBallisticsを紹介。
初めて見る人から様々な意見が聞けるネタ提供スコープとなっている。
参考までに自分はX-Sight II HD 3-14Xは5万円(オークション)、LaserBallistics1000は3万円(米Amazon 送料込み)程度で入手している。
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ATN X-Sight II HD 3-14X
- ナイトビジョンモード
- 写真撮影・動画撮影
- ゼロインの保存
- 弾道計算
外観
対物レンズ保護キャップを外せばフードをつける事ができる
対物レンズのピント調整ダイヤル、回転はやや硬め
POWER(電源ON OFF)、←(写真撮影)、→(動画撮影)、↑(ズームイン)、↓(ズームアウト)、ENTER(メニュー)
接眼レンズはHDモニタになっている、ダイヤルはモニタの拡大・縮小・ピント調整。
拡大しすぎるとモニタの内容を全て見る事ができなくなってしまう。
モニタ保護の蛇腹ゴムから目が遠くなりすぎるとモニタの内容を全てみる事ができなくなってしまう。
バッテリーは1.5Vのリチウム単三電池4本。
充電式ニッケル水素電池などの電圧が低い電池(1.2V)を使用した場合、電源を入れた瞬間バッテリー残量不足警告が出て数分で使用できなくなる。
ちなみに4Kモデルは内臓バッテリーなので見た目がスリムになっている、バッテリーの寿命が来たら交換できるかは不明。
64GBのMICRO SDカードに画像データ・録画データを保存可能。
HDMI接続で外部モニタに表示できる?
モバイルバッテリーとMicroUSBで接続し、バッテリー代わりとする事も可能だが雨対策が必要になる。(別売りバッテリーパックPower Weapon Kitは防水対策がされている)
7/8インチピカティニーマウント、レールを掴むだけな形状。
ミニピカティニーレールが付いている。
ここに小型のモバイルバッテリーを付ける事ができれば、と思う。
付属の赤外線照明器はナイトビジョンモードを使用する場合にミニピカティニーレールに取り付ける。
ナイトビジョンモード
日中ではスコープを覗くとこのように見えるオブジェクトも(日付はセットしていないので2016年1月1日)
夜間では当然真っ暗
夜間は赤外線照明器を点灯させ、スコープ側でナイトビジョンモードをONにするとクッキリとオブジェクトを見る事ができる。
設定でグリーン表示にする事もできる
写真撮影・動画撮影
写真撮影ボタンを押せばHD画質で撮影される。
写真は1枚撮影、タイムラプス撮影、バースト撮影を切り替えられる。
動画撮影ボタンを押せばHD画質で動画撮影が開始される。
RAV(反動起動ビデオ)をONにしておけば動画撮影を行っていなくても自動で射撃の前後(設定で時間は変更できる)を動画撮影する。
ゼロインの保存
プロファイルを登録しておけば、ゼロインを即座に切替可能。
プロファイルの項目(DRAG FUNCTION・Balistic Coefficient・Bullet Weight・Initial Velocity・Zero Range・Sight Height)は弾丸のメーカーサイトで確認する事ができる。
スラッグ弾ではRemingtonとFederalが弾道特性が記載されているのを確認済み。
弾道特性等を入力してあれば、後述の弾道計算機能を使用する事により50mだけのプロファイル登録で100mだろうが200mだろうが自動で弾道計算をしてレティクルを合わせてくれるはず。
弾道特性が不明の場合、例えばRED BIRDのスラッグで50mと100mでゼロインを登録しておけば、それぞれの距離に応じたゼロインの切替はできる。
各メーカーのスラッグ弾は弾道特性が異なるので、スラッグ弾毎に登録するようにする。
ゼロインは、プロファイルを読み込みZero Reticleを選択。
マト紙のセンターを赤レティクルで狙い引き金を引く。
矢印ボタンで赤い十字を着弾位置に移動させ、マト紙のセンターに白い十字を合わせるだけでゼロインは完了。
弾道計算
プロファイルに弾道特性等を全て入力しゼロインを行っておく。
プロファイルを読み込み、目標物までの距離を入力する。(LaserBallisticsで距離を転送、レンジファインダーの距離を入力、スマートレンジファインダーで距離を計算)
湿度・気圧・風速・風向き・高度などの環境データを外部機器で計測して入力する(スマホアプリobsidianでの入力が簡単そう)。
自動でオブジェクトまでの弾道計算を行ってくれる。
環境データは無視した距離だけの弾道計算でも便利だと思う。
その他の便利機能
スマホにアプリ【Obsidian】をダウンロードしてからスマホとWiFi接続を行えばスマホで設定の変更や画像の参照、プロファイルの入力などが行える。
ObsidianはスマホをX-sight IIとWifi接続してから起動させる。
Reticle StyleやViewfinderはスコープに表示されている内容がスマホ画面でリアルタイム表示されるようなのだが動作が非常に重い(iphone8)
プロファイルはObsidianで設定する事を勧める、プロファイル名を変更できるし各数値の入力も簡単だからだ。
事前に大きさが判っているオブジェクトの場合は、スマートレンジファインダー機能でオブジェクトの上下を設定すれば自動で距離計算を行ってくれる。
レティクルのカラー(7色)・スタイル(7種)が変更可能。
LaserBallisticsとBlueTooth接続する事により、LaserBallisticsで計測した距離がX-SightのDISTANCE ENTRY機能を使用した際に自動で読み込まれる。
ABLというスコープの先に取り付けるレンジファインダーもあるようだ。
ただしこのスコープは重い。
またファインダーがモニタなので解像度が悪いので通常のスコープのようにクッキリとは見えない。
日本では夜間の狩猟が原則禁止されているので、このスコープを購入する必要性はないかもしれない。
動画撮影したいのであれば、スコープに取り付けができるもっと便利なカメラがある。
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LaserBallistics 1000
外観
機能
倍率固定6倍。
電源ボタンで電源ON、電源OFFは自動。
電源ボタンを軽く押すとオブジェクトまでの距離を測定。
オブジェクトまでの距離と角度は白黒で表示されるので暗いところでは見えづらい。
Mボタン長押しで距離単位表示を変更(ヤードとメートル)
Mボタンを軽く押す事により標準モードとフォグモード(Fogと表示される)の切替。
霧が発生している場面ではフォグモードを使用するらしい。
霧が発生していない時に使用した場合、いつまでたっても距離が正しく計測されないので注意。
X-sight IIとの接続はX-Sight II側で行う。
LaserBallisticsでは距離の計測を行うのみ、自動でX-Sight IIに距離データが転送される。
電源ボタン長押しでBlueToothのペアリングが開始される。
スマホに事前にアプリをダウンロードしていればスマホと連携できる。
弾道計算を行い、スコープを何クリックすればオブジェクトにレティクルが重なるか計算してくれる。
このアプリはLaserBallisticsとBlueTooth接続をしていないと弾道計算結果を見る事ができない。
画面表示は黒なので暗いところでは使えないかな。
ATN X-Sight IIで射撃をしてみた
MSS-20にATN X-Sight IIを搭載してスラッグ射撃を行ってきた。
50mレンジと100mレンジがある射撃場なので50mのゼロインが終了したら弾道計算機能で100mのマトを狙って感動してみる予定だった。
持参したスラッグ弾はRemingtonとFederalを各20発。
この2種を使用した理由は弾道特性がサイトで公開されていたから。
50m依託射撃にてRemingtonを使用。
初期のレティクル位置がとんでもない所に設定されていたようで、マトに当たらず。
ボルトを抜きマトの中心を目視しつつ、ゼロイン設定でレティクルをマトの中心に合わせる。
マトに当たった弾痕に赤十字を合わせるところ、白十字を弾痕に合わせていたので、次弾も明後日の方向へ。
赤十字が弾痕、白十字がマトの中心だと気づくまでしばらくかかった。
再びボルトを抜き位置合わせ。
今度はマトの中心に白十字、弾痕に赤十字を合わせるもマトに当たる位置が安定しない。
理由が判った、スコープの位置がこのような事になっていた。
スコープはレールマウントの一番尻に合わせていたのだが、1発撃つ毎にスコープが少しずつ前に移動していたようだ。
スコープモニタが少しずつ離れていっているので気づきそうなものだが・・・
再びスコープをレールマウントの尻に合わせてネジを手できつく締めたのだが、やはり1発撃つごとにスコープが前に移動してしまう。
マニュアルを熟読してみると、射撃によりネジが緩むからネジが回らないようロックタイトで固定しろと記載されていた・・・
指でネジを閉めた程度ではどうしようもないようなので、今回は1発撃つ毎にスコープを移動させる事で対処するしかない。
帰宅後に英語サイトを調べたところレンチできつく締めればOKという意見もあったので、次回の射撃ではレンチを持参する事にする。
【追記】
レンチでしっかりと締めたらスコープがずれる事はなくなった。
かなりマトの中心付近に集弾するようになってきたところでRemingtonは弾切れ。
Federalのプロファイルを読み込み最初からゼロインやり直し。
やはり初期設定はとんでもない所にレティクルが表示されていようで、どこに弾が飛んでいったのか把握できず。
初めてのプロファイルでゼロインをやる場合はボルトを抜いて位置合わせをしないとダメらしい。
FederalはRemingtonに比べ衝撃があるので、スコープのズレる距離も若干長い気がする。
スコープの位置を毎度手動で移動して射撃を行ったが、とりあえずマトの中心付近には集弾していた。
次回はMSS-20と相性が良いとされているRED BIRDでゼロインをしてみる予定だ。
弾道特性不明なので50mと100mの2つのプロファイル登録が必要だが。
【追記】
MSS-20はREDBIRDとの相性が最高だった。
弾道特性が判明している登録済のプロファイルを記載しておく、間違っていたら指摘して頂けると非常に助かります。
Remingtonスラッグ装弾(フォスター型)20番(SP20RS)
Drag Function (通常はG1とのこと) | G1 |
Ballistic Cofficient (弾道特性) | 0.146 |
Bullet Weight,gr (弾頭の重さ グレイン) | 274 |
Initial Velocity,m/s (初速) | 1580 |
Zero Range,m (ゼロインの距離) | 50 |
Sight Height,mm (スコープの高さ、銃身の中心からスコープの中心までの高さ?) | 64 |
TruBall Rifled Slug 20 Gauge(PB203 RS)
Drag Function | G1 |
Ballistic Cofficient | 0.073 |
Bullet Weight,gr | 328 |
Initial Velocity,m/s | 1600 |
Zero Range,m | 50 |
Sight Height,mm | 64 |
最後に一言
スコープの取り付けはレンチでしっかりと行う必要があるが、締め付けトルクによって微妙にスコープの角度が変わってしまう。
なのでトルクレンチを用いてレールマウントに固定した方がスコープを外したあともゼロインが狂いにくくはなる。
が、このスコープはレールマウントの溝で位置決めできない。
いろいろと「うーん」となる部分が多いので、実猟で使うことはないかもしれない。
だが「夜間でも動画撮影できるおもちゃ」としては使えるのでキープはする。