ドットサイトでランニングターゲットは難しい
MSS-20にEOTECH HHS II EXPS2-2(ドットサイト、正確にはホロサイト)とG33 MAGNIFIER(3倍)の組み合わせでランニングターゲットに参加している。
ランニングターゲットは未来にターゲットの中心が通る位置を狙う必要がある。
毎度同じターゲットで、ターゲットの左右にイノシシの絵などが印刷してあれば「絵のあの辺り」を狙えば良いと判断がつくのでドットサイトでも問題はない。
しかしターゲットが変わった場合(風船など)にはその作戦は使えなくなってしまう。
上手な人であればドットサイトであっても初めて見るランニングターゲットの中心付近に集弾させる事ができるのかもしれない。
今後も射撃会で好成績を残したいと思うし猟友会RS大会でも地区予選は突破したいと思っているのに、本番のターゲットになったら狙う位置が判らないでは話にならない。
私には3倍ドットサイトで風船(小口径ライフル銃50mの的の4点くらいの大きさ?)に当てる事ができるのは最高でも5/10。
縦軸はガク引きやフリンチングの影響で変わるので練習次第として、横軸はスコープを変更する事だけでもなんとかなると思う。
スコープなら何でも良いという訳ではない。
レチクルの横軸に目盛りがあるタイプじゃないと意味がない。
銃砲店で相談をしたらMarchのスコープを勧められた。
長野県にあるディオン工学技研という会社が作っているので、スコープに何かあっても対応してもらいやすい。
値段は非常に高い。
安いモデルでも19.5万円(税込)だ。
受注生産なので注文してから手に入るまで1ヶ月以上かかる事は覚悟しなければならない。
それでも海外の高級スコープと勝負ができる良いスコープなので、余程他に欲しいスコープがある訳でなければMarchをお勧めするとの事。
いろいろとモデルがあるので銃砲店の人とカタログを見ながら勉強すべし。
Marchのスコープ
「FFP (第一焦点面レチクル)」と「SFP(第二焦点面レチクル)」
FFPはスコープを拡大縮小させるとレチクルも拡大縮小するタイプで、主に狩猟で使用される。
SFPはスコープを拡大縮小させてもレチクルは拡大縮小しないタイプで、主に競技射撃で使用される。
競技射撃で使用するスコープを探しているので、SFPタイプから選択する事になる。
倍率と対物レンズ有効径
まず競技射撃で必要な倍率だが、50mであれば3−6倍、100mであればその倍あれば十分だと思う。
高倍率が使用できるとゼロインをする時により中心を狙いやすいし、着弾点も見やすくなる。
対物レンズ有効径は大きいほどスコープを通して見える範囲が広くなるがその分重量も増える。
50mと100m双方で使いやすそうなモデルはこの辺りになるだろうか。
- March 5x-32x52(670-730g)
- March Compact 1x-10x24(520-560g)
- March Compact 2.5x-25x42(610-650g)
- March Compact 2.5x-25x52(665-680g)
- March-X 5x-50x56(830-870g)
レチクルのタイプとMILとMOA
各自使いやすいレチクルのタイプがあると思うが、ランニングターゲットでは横軸の目盛があると狙いが付けやすい。
私が使いやすそうだなと思ったのは下記の2点。
- MTR-3
- MML
上記2点は1目盛の単位がMOAかMILの違いだけだ。
MILとMOAは慣れの問題なのでどちらでも良い。
100mなら超ざっくり計算方式で1.1MIL=4MOA。
1MILは100mで100mm。
MMLは10倍で1目盛0.5MILなので、1目盛50mm。
100mで2.5倍なら1目盛2MIL、5倍なら1MIL、20倍なら0.25MIL。
50mで2.5倍なら1目盛1MIL、5倍なら0.5MIL、10倍なら0.25MIL、20倍なら0.125MIL。
1MOAは100ヤード(91.44m)で1インチ(25.4mm) 、100mは109.36ヤードだから100mの1MOAは27.78mm位。
MTR-3は10倍で1目盛4MOA なので、1目盛4インチ(111.12mm)。
MOAで倍率毎の計算。
100mで2.5倍なら1目盛16MOA、5倍なら8MOA、20倍なら2MOA。
50mで2.5倍なら1目盛8MOA、5倍なら4MOA、10倍なら2MOA、20倍なら1MOA。
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MarchのD25V42TI MTR-3 IlluminatedをGET
Marchが欲しいなと思っていた当日中にMarchのD25V42TI MTR-3 Illuminatedを半値以下で射撃仲間より譲受けた。
ピカティニーマウントリング、サンシェード、6段階イルミネーションスイッチ、フリップキャップ付き。
ゼロイン
3−5発ほどターゲットを撃って着弾点を見極める。
使用したのはREDBIRDのCOMPETITION LOAD。
3−4MOA下に着弾しているようだ。(ターゲットは1つの円が50mで1MOAになるように作っている)
着弾点を上げたいので、エレベーションダイヤルをUP方向に3と3/4回す。
やや上に着弾してしまったので微調整する。(ターゲットの□は1/2MOA)
とりあえず2/4MOA下げてみた。
縦軸は良い感じだが、着弾がやや右よりな気もする。
ウインテージダイヤルも微調整して中心に着弾。
さらに5発撃ってみたが、4/5発が中心の2MOAの円に入っているのでゼロインはOKだろう。
ダイヤルの上部に六角レンチを差し込む穴が各3箇所あるので、それぞれ緩めてから0にダイヤルを合わせ六角レンチで締め直したらゼロイン完了。
通常はダイヤルを回すと1/4MOA事にクリックの感触がするが、六角レンチで緩めている間はクリックの感触がしない。
0-SETは矢印側に回す事によってエレベーションダイヤルに現在セットされているゼロインの位置よりDOWN方向にダイヤルが回らなくなる。
矢印側とは逆方向に回せば解除される。
ちなみに同じREDBIRDのFIELD LOADを撃ってみると・・・
着弾点がこんなに変わる。
COMPETITION LOADに戻すとこの通り。
レティクル
ズームしても太さは変わらない。
イルミは電池の消耗が激しい。
最後に一言
MSS-20にMarchを付けてランニングターゲットをやってみた。
最初は倍率もどこの横目盛りで中心を狙えば良いかも探りながらだったが、狙いやすい倍率と横軸を見つける事ができた。
自分がやり易いと思ったのは5倍の4MOA目盛りで中心を追い越したタイミング。
縦軸はフリンチングでバラバラだが、横軸はかなり狙いやすくなった。
初めてMarchを使ったにしては風船は6/10の成績だったので3倍ドットサイトよりも中心を狙いやすくなった。
静的で立射や座射も行ってみたが50mでは同じく5倍が使い易い。
倍率を10倍にあげると中心を狙っているのが精神的に困難になるので立射では狙っていられない。
5倍程度ならば座射で3MOA以内に纏める事が可能だった。
25倍を使用するのはゼロインの時と着弾点を見たい時。
銃を依託していても25倍では血流による振動でさえもレティクルが動きまくるから困った物である。