相変わらずハーフライフル用の弾造りをしてます。
弾というかワッズとかクッションとかガスシール造りですね。
レジンを変えるたびにワッズなどのデザインも一緒に変えてしまっているので、単純なレジンの比較にはなってないですね。
3Dプリンタでワッズを作るメリット
使用する散弾銃の口径より小さい弾頭なら、どんな弾頭でも撃てるようになります。
また1発当たりのコストも安いです。
20番のSvarogのMatchを12番で撃つためのワッズが1発分で17円程度。
ガスシールはお高いレジンを使っても8円とか。
クッションとかスペーサーは12.5円位。
弾頭はスクラップ屋で鉛を買えば1kg200円。(流石に今は値段上がってるかも)
ネットで純度99.99%とかいう鉛を購入してみましたが、スクラップ屋の鉛と品質にほとんど差はない感じなので鉛はスクラップ屋で買いましょう。
で、1kgで50個の弾頭を作れるとしても1発4円(燃料コスト含まず)なんで安いです。
燃料コスト?
ガソリンで火を焚いてますが、1リットルで100発以上は余裕で作れますので、1発1円ちょいって感じかな。
3Dプリンタがあれば火薬と雷管が100円としてもなんと1発150円未満でサボット装弾が作れちゃいます!
3DプリンタはLCD
3Dプリンタは光造形式、つまりLCD 3Dプリンタを選択してください。
造形物の出来上がりが綺麗だし、1度に複数の造形物を作れるから製造にかかる時間も短いです。
私が使用している3DプリンタはELEGOOのMARS3です。
使用するレジンによってIPAで洗浄する必要があります。
柔軟性のあるレジンは大体IPA洗浄が必要だと思います。
造形物はUVで2次硬化させる必要がありますが、UV硬化機があると楽です。
RESIONEのTH72でワッズを作成してみた
今回はRESIONEのTH72という柔軟性が多少ありそうなレジンを購入してワッズを作成してみました。
それなりに硬度もありそうなので、ワッズ作成に向いているかもしれません。
動画では色々テスト印刷していますが、クッションなど柔軟性が最も重要なパーツを作るのには向いていないようです。
0.5mm程度の棒状なら曲げる事は可能なのですが、結合部分が折れます。
つまりガッツリ曲げるにはSirayaTech Tenaciousのような柔軟性重視のレジンを使う必要があります。
柔軟性があるということは衝撃を吸収するという事でもあります。
TH72のサポートは楽に外せる
サポートを外すのが結構大変だったりするので以前はサポートなしで印刷してたりしてました。
ただそれだとビルドプラットフォームとくっついている部分が膨らむし、外す時に変形してしまうので、今はサポートを使用してます。
TH72のサポートを取り外すのは簡単で、サポートを指で倒すだけでパリット造形物からサポートが外れます。
これならいくらでもサポートをつけられます。
サポート痕もそんなに深くガッツリと残るわけでもないので、サポート痕が残っていても問題ない箇所にサポートをつけたり角度をつけたりしましょう。
TH72は洗浄が楽
特に大きな特徴ではないかもしれませんが、TH72は造形物に付着した余分なレジンが簡単に落とせます。
以前は造形物に付着したレジンはIPAに漬けたハケで擦って落としていました、それでも残ったりするんだけれど。
TH72はIPAに造形物を浸してジャバジャバ軽く揺するだけで余分なレジンが落ちてしまいます。
その後2次洗浄を機械でやってますけれど、洗浄時間は3分です。
まだベトベトしている気がしますがそれは造形物の柔軟さゆえ。
エアコンプレッサーでIPAを吹き飛ばした後で2次硬化させると、造形物の表面はスベスベ。
公式サイトでシルクのような手触りとか書いてあった気がするけど、あながち大袈裟な表現でもない。
TH72の2次硬化はたっぷり30分
2次硬化30分は長いと思いますよね?
だけれど、2次硬化の時間をケチるとあとで痛い目にあいます。
出来上がり時はそれなりに柔軟性があるのに、時間が経ったらカチカチになってるとか。
30分も2次硬化させればその後ガチガチになったなんて後悔することにはならないかも。
なぜなら2次硬化が終わった時点でガチガチになるから。
それでも柔軟性があるなら、それはその後も期待できる柔軟性です。
ワッズはTH72でいける
ワッズは柔軟性はそれほど重要ではないと思います。
なので硬すぎないレジンならどれでもいけるかも。
ただTH72は硬さと柔らかさを兼ね備えているレジンなんでTH72”だけ”でワッズを作れる点が良いです。
RESIONEのレジンにしてはコスパ良いです。
ワッズは設計が大変
1つの弾頭専用のワッズを作成するとなると設計の手間が半端ないです。
3D印刷、洗浄、2次硬化を合わせると、設計した造形物を1回出力するだけで2時間以上。
設計の時間も数分から数時間とマチマチですが必要です。
弾頭の形状が単純ではないので、微妙な角度とかも計測が難しいです。
また0.01mm単位で設計しないと、弾頭をワッズに入れた時に緩んだりキツかったり。
緩いと弾頭がワッズの中で動いてしまう。
キツイとワッズが弾頭に完全にハマらないので設計通りの外径にならないです。
それが弾頭の各凸凹部位で発生するわけで、弾頭の設計だけで1ヶ月以上の時間は要しています。
弾頭の設計?
そうです、弾頭の設計ができれば、あとはその弾頭の形をワッズからくり抜けば良いだけなんで。
もし会社で弾頭を渡されてワッズ設計を受注するとしたら200万円以上は請求しますね。
TH72でもガスシールは無理そう
火薬量32グレインあたりからガス漏れが増えて弾がまともに飛ばなくなりました。
しかし30グレインでもガス漏れ起きてるんですよね。
つまり30グレインでもTH72が割れてしまったのかもしれない。
割れてしまってるならTenaciousを10%以上混ぜてみて柔軟性を出してみるかな。
もしTH72が柔らかすぎてガスシールが破けてたとしたら?
それなら強度が高いレジンを混ぜれば良い。
多分割れてる方だと思う。
ガスシールは家に在庫がまだまだあるのでそれを使うのもありなんだけれど。
今度のテストは市販のガスシールを使ってみて、ワッズとクッションが問題ない方を確認するのが先かもしれない。
TH72でクッションは無理だったのでTenaciousで作成
TH72では柔軟性が足りなすぎたので、素直にTenacious100%でクッションを作成。
今回のクッションは蛇腹を360度回してます。
他のレジンでは蛇腹360は無理だったけど、Tenaciousなら余裕でした。
蛇腹の上下には凸型のクッションをつけ、その上に蓋をつけてますね。
蛇腹を手で押すと簡単に蛇腹部分は凹みます。
さらに強く押すと凸クッションが凹むというより曲がります。
さらに押し込むと流石にどこかがちぎれるとは思うのですが、Lee LoadAll2に蛇腹をセットしてテコで思いっきり押しても破れるとか折れる気配が皆無なので諦めました。
ですが、Tenacious 100%は印刷が時間が2時間以上かかる上に印刷もよく失敗するので扱いが難しい。
Z軸がちょっとでもズレてるとガッツリ列がなくなります。
FEPフィルムから引っ張られる時にサポートから先が外れたりするのは良いとして(良くない)、初期層がビルドプラットフォームから落っこちる事もあるので扱いが難しいどころじゃない。
なんでTH72を10%混ぜるのもありかなと思ってます。
そすればTH72 90% Tenachious 10%でガスシール。
TH72 10% Tenachious 90%でクッション。
15% 85%とか20% 80%でもいいかもしれないが TH72とTenacious各1本使うからコストは同じ。
どちらにしろ射撃場で実際に撃ってみないとわからん。
過去にTenaciousと混ぜたレジンは使わなくなったら全て破棄してるんで。
最後に一言
今回のyoutube動画は、ブログでは以前紹介した「Tactacam」のFTSで撮影した映像を登場させました。
スコープに取り付けるマウントとカメラなんだけれど、FTSが目に近いから使っててちょっと怖い。
本格的にワッズを生産するならもっと大きな3Dプリンタか、Elegoo Mars3をもう1台購入したいな。