Svarogのサボット弾頭
ロシアの「Svarog」というメーカーの12番用サボット弾頭。
弾頭を鋳造する時にピンを変更する事で弾頭重量を変える事が可能だ。

ピンの説明に記載されている数字は弾頭なのだが、実際に作って見ると鉛の純度の為か1−2g重く作られた。
- "Standard" core pin 34 鉛で製造時35g前後
- "Classic" core pin 32 鉛で製造時33g前後
- "Light" core pin 30 鉛で製造時31g前後
- "Sporting" core pin 28 鉛で製造時30g前後
Svarogのモールドは軽量なのでRymanのモールドで弾頭を作るよりも手が疲れにくい。
またRymanと比べてピンがモールドにセットしやすいと思う。
そしてモールドやピンに特にパウダーを塗さなくても弾頭がモールドから剥がれやすい気がする。(仕上がりには影響する)
Svarogの12GAサボット弾頭を撃ち比べてきた
使用した銃はレミントン870のHastingハーフライフルバレル。
スコープはEotechホロサイトに3倍Magnifierを使用。
使用火薬はLongshotでプライマーはFederal。
使用ワッズはSvarogのラウンドボール用のワッズ。
Sporting、Light、Classic、Standardでそれぞれ30gnから1gn刻みで34gnまで薬量を変え各5発ずつ製造。
弾頭は例えばSportingだと重量30g台で作られるのだが、軽い物と重い物の差は1g近くになってしまうが選別はしていない。
また弾頭のバリ取りも十分にやっていないし、鋳造でできた凸凹などが若干あってもそのまま使用した。
なので正確なデータではないことは事前に了承していただきたい。
それとSportingとLightの30,31,32gnはハル(薬莢)にimperialを使用し別日に計測を行っている。
それ以外は全てRXPのハルを使用した。
テスト時の射撃場のコンディションは晴れで暑くもなく寒くもなく快適な環境。
しかし風が時折やや強く吹いていたので、着弾にズレが生じている可能性あり。
またスコープは3倍なので正確にマトの中心を捉えているのか若干疑わしい。
なので、射撃5発の中で最もまとまった3発のグループサイズで計測する事にした。
計測に使用したアプリはSubMOA。
Sporting(30グラム)
薬量(グレイン) | ハル | グループサイズ(MOA) |
30gn | imperial | 3.87 |
31gn | imperial | 1.21 |
32gn | imperial | 3.72 |
33gn | RXP | 0.99 |
34gn | RXP | 3.17 |
Light(31グラム)
薬量(グレイン) | ハル | グループサイズ(MOA) |
30gn | imperial | 2.05 |
31gn | imperial | 2.3 |
32gn | imperial | 5.31 |
33gn | RXP | 4.09 |
34gn | RXP | 4.67 |
Classic(33グラム)
薬量(グレイン) | ハル | グループサイズ(MOA) |
30gn | RXP | 4.95 |
31gn | RXP | 2.76 |
32gn | RXP | 3.0 |
33gn | RXP | 3.95 |
34gn | RXP | 2.8 |
Standard(35グラム)
薬量(グレイン) | ハル | グループサイズ(MOA) |
30gn | RXP | 2.59 |
31gn | RXP | 2.98 |
32gn | RXP | 5.64 |
33gn | RXP | 3.4 |
34gn | RXP | 2.69 |
結果
Sporttingの33gnで飛び出した0.99MOAのグループサイズ。
31gnはハルにimperialを使用してしまったので、RXPを使用すればもっとまとまった可能性がある。(後日再検証)
狩猟用の3倍スコープでこれだけまとまれば射撃用のスコープを使用すれば射撃でも使えそう。
Sporting以外の弾頭は薬量の増加に伴う集弾のまとまりやバラ付きに規則性があまりにもないので、やはり弾頭の選別はある程度行わないとダメかも。
ちなみに、Standardの31gn以上は撃っていて嫌になってくるほどの反動がある。
リコイルパッドを変更してからどのような市販のスラッグを撃っても痛いと感じたことはないので、余程の反動に違いない。
最後に一言
後日Sporting弾頭の薬量を31gnから0.5gn刻みで33gnまで変更してテストしてきます。(各10発、合計50発)
ハルはRXPで統一して弾頭の選別やバリ取りもしっかり行う予定。
そこまで気にしなくても良いのでは?と思っていたが、気にしたほうがグルーピングに信憑性が出るからまたテストしなくても済む。
そして弾速のデータもとるし、余裕があれば100mも撃ってみる予定。
Sportingが狩猟で使用できるかどうかであるが、弾頭重量は20番のものより全然重いし薬量も問題ないはずではあるが、その辺も含めた次回の弾速のデータ取り。
薬量が1gn変わる事で着弾点が上下にズレるのは理解できるが、左右にズレるのは弾に回転が加わっているからか?
Svarogのワッズは弾頭がスッポリとワッズの中に収まるモデルがサボット用推奨ワッズとして売られている。
しかし私が使用しているのはラウンドボール用のワッズ。
サボット用ワッズだとワッズの身長が微妙に足りなくて、スタークリンプをする時に綺麗にクリンプできない(凹む)のでラウンドボール用を使用した。
サボット用ワッズはガスシールを入れると今度は高くなりすぎる。
2mmのコルクなどを挟めば高さが丁度良くなる事は確認できたのだが12番用のコルクなど持っていないので保留している。