ハンドロード を行うには火薬(パウダー)を計量するための計量器(スケール)が必須だ。
計量器と言ってもキッチン計りのような物ではなく、最低でも1grain(グレイン)単位で計量できる専門計量器の事だ。
1グレインとはグラム変換すると0.0647989グラムと非常に計算がしにくい単位である。
ちなみに大麦1粒の重さが1グレインの単位の由来らしい。
火薬の計量で用いる計量器
火薬は1グレイン単位で詰めても(0.nグレイン位ズレていても)さほど命中率に影響しないとも言われているのだが、それでも計量器は0.1グレイン単位で計量できるものを用意したい。
自分が思いつく海外製スケールでの有名どころでは「RCBS 」「LEE」「Hornady」あたり。
計量器は天秤式のメカニカルスケール、デジタル式のデジタルスケール、指定した火薬量が自動で排出されるパウダーメジャーとデジタルスケールが合わさった物などがある。
値段はデジタル式が最も安い。
計量の正確さはメカニカルスケールだろう。
RCBS M500 Mechanical Scale
計量が0.1グレイン単位のRCBSのメカニカルスケール「M500」は500グレインまでの計量が可能だ。(正確には504.9グレインまでか)
他にも「M1000」という1000グレインまで計量可能なモデルもある。
しかし10番のショットシェルですら100グレインもパウダーを使用しないので、購入するのは500グレインまでの計量ができる「M500」で十分だろう。
購入したのは米Amazonで、購入費用は送料込みで$96.99。
M500のゼロ合わせ
スケールパン(金色の皿)を載せた状態で0合わせをしてみる。
左側の土台の右に付いている3つの▷の中央と−0が重なった時が計量したい値とスケールパン側の重量が釣りあったという事になる。
上の画像は−0が上の▷付近にあるので、スケールパン側が重いという事だ。
現在右側の土台左側にある5グレイン単位の計量位置は0、土台右側の0.1グレイン単位の計量位置は0である。
0に合わせる為の作業は下記画像の通り。
真ん中の▷と−0の位置が合えば0合わせ終了。
カメラのレンズ位置と、0合わせをした時の目の高さが合っていないので画像では0には見えない。
これがメカニカルスケールの弱点である。
M500で10gの錘を計量する
10gをグレイン変換すると「154.324」グレインとなる。
このスケールは0.1グレイン単位でしか計量できないので、「154.3」「154.4」あたりで真ん中の▷に−0がくれば良い。
154.3
154.4
154.5
154.3で−0に合っている感じだろうか。(上記でも記載したが目線とカメラのレンズの高さの違いで画像では−0の位置が下になっている)
実際の計量方法は?
22.4グレインの火薬を計量したいのであれば、スケールの左側を20の位置(0から4つ目)、スケールの右側を2.4の位置にする。
真ん中の▷より−0が上にあれば火薬が多いし、下にあれば火薬が少ない。
26.8グレインであれば、スケールの左側を25の位置、スケールの右側を1.8の位置にする。
メカニカルスケールの良いところ
0を合わせてしまえば、同じ場所と目線の高さで計量する限り0が狂う事はない。
0.1グレイン単位の正確な計量ができる。
メカニカルスケールの弱点
正確に計量する為にはメカニカルスケールと目線の高さを常に合わせて計量する必要がある。
真ん中の▷と-0の位置が、スケールの斜め上から見たのとスケールの正面から見たのでは計量に微妙な誤差が出てしまう。
計量が完了するまで時間がかかる。
スケールパンに計量物を乗せ、天秤の揺らぎが無くなるのを待ち、それからスケールの▷と−0が合っているかを確かめる必要があるから。
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Hornady G2-1500 Electronic Scale
計量が0.1グレイン単位でできるHornadyのデジタルスケール「G2-1500」は1500グレインまでの計量ができる。
使用するには単4電池2本が必要だが、パッケージに付属している。
10gの錘も付属。
購入したのは米Amazonにて送料込みで$40程度か、複数商品をまとめて購入したので単品の正確な送料不明である。
右側のボタン押下で計量単位の切り替えができる。
単位は「グラム」「オンス」「グレイン」「カラット」の4つ。
左側のボタンは0合わせと長押しで電源ON/OFF。
計量していると0が狂う時があるので、0ボタンをたまに押す必要がある。
デジタルスケールの設置角度が変わった時などにも0が狂う。
G2-1500で10gの錘を計量する
単位は「グレイン」で計量。
10gをグレイン変換すると「154.3」グレイン付近になるはず。
今度はグラムで計量、「10g」になるはず。
ついでに100gの錘を「グラム」で計量。
上限が「1500グレイン」なので100g「1543.24グレイン」はやはり計量できないようだ。
デジタルスケールの良いところ
素早く計量できる。
単位の切り替えができる。
手のひらサイズなので保管場所を取らない。
値段が安い
デジタルスケールの弱点
電池が必要。
計量の度に微妙に計量値が変わるので緻密な計量には不向き。
たまに0がずれるので、0ボタンを押す必要がある。
0.01グレイン単位で計量できる中華製デジタルスケール 8028
かなり以前から家にあったにも関わらず存在を忘れられていた計量器。
釣り用のハナクソ(小さいガンダマ)の重さを計量したくなって購入した物だった。
このデジタルスケールもグレイン単位で計量ができるようなのでHornadyとの計測値の正確差がどれくらい出るのか試して見た。
ちなみにこの製品「0.01」グレイン単位で計量可能だ。
ちなみに単4電池2本、100gの錘、プラ製ピンセット付属。
計量できる単位は「グラム」「オンス」「ペニーウェイト」「カラット」「グレイン」「tl」(1tlは37gで中国の1両の事らしい)
必要な計量単位は揃っている。
最大100gまで計量できる。(100gを超えるとエラー)
左上のボタンは電源。
左下のボタンは単位切り替え。
右上のボタンはゼロ。
右下のボタンは「PCS」という記録した重さのものが何個あるか計量する機能。
同じ見た目で様々な品が中華メーカーから出ているが、8028と記載されている物を買えば中身は同じだと思う。
中華製デジタルスケールで10gの錘を計量する
単位は「グレイン」で計量。
10gをグレイン変換すると「154.3」グレイン付近になるはず。
すごい、0.1グレイン単位での計量であれば誤差がない。
それでは単位をグラムに切り替えて「10g」を計量。
何度計量しても10gジャスト。
それでは付属の「100g」ではどうか?
かなり侮れないレベルの計量ができた。
しかし最大100gまでの軽量しかできないのに付属している錘が100g。
中華製デジタルスケールの良いところ
値段が安い(G2-1500の半分位)。
日本のAmazonで購入できるので購入即手元に届く。
0.01グレイン単位までの計量ができる。
中華製デジタルスケールの弱点
Amazon中華製品は売れ始めると途端に値段が上がる。
Amazon中華製品は商品の入れ変わりが早いので欲しい時には廃盤だったりする。
最後に一言
文中ハンドロード 、リロードとごちゃ混ぜで記載しているかもしれないが、意味は同じ「実包の手詰め」なので気にしないで頂きたい。
海外有名メーカーのデジタルスケールはとある動画を見る限りどれを購入しても、どうしても±0.1グレイン位の誤差は出てしまうようだ。
それにしても動画では0.1グレインしかズレなかったHornadyで素早く火薬計ってリロードしまくるぜーと思っていたのに、0.3グレインもズレが出てはいかんだろう。
所詮中身はmade in chinaか。
やはりデジタルスケールは0.1グレイン程度のズレはあまり気にしないで沢山リロードしたい人に向いている。
逆に0.1グレインのズレさえも気にして計量したい人は「メカニカルスケール」を購入しておくべき。
おくべきとしたのは、メカニカルスケールは正確に計量できるので良いのであるが、100発をリロードするとなると流石に気が滅入る。
その点中華製デジタルスケール8028なら0.01グレイン単位で計量でき、0.1グレイン単位で考えると正確に計量できている。
デジタルスケールの素早く計量できる良さと、0.1グレイン単位であればズレがなく計量できる「8028」はお勧めである。
しかし中華製品は「アタリ個体」「ハズレ個体」が存在する点を理解した上で購入して欲しい。