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【12GA用真鍮製ケースを自作する】3Dプリントしてテストしてみた

リロードで苦労するのがショットシェルとかハルとか言われているケースの入手です。

ケースは射撃場にいけばいくらでも拾えるのですが、まー使えるものが少ない。

使えるケースはRXP、DUPO、FEDERALとか色々ありますが、拾ったケースもロンデルが錆びていたり、グリスでギトギトだったりする。

すでにリロード済みでケースがカットされていたりもするので、拾ったケース全て使える訳ではないです。

ケースの長さが違えばガス圧も変わってきてしまうので弾速も安定しませんし。

 

じゃぁ輸入すればフレッシュなケースが手に入るじゃん。

ですが今は円安で輸入すると高いし。

あとケースは普通に輸入はできないし、ケースにはプライマが付いていたりもするので色々面倒です。

そもそも海外にも在庫がない状態。

 

ケース問題をどうするか色々悩んだところで出した結論

 

自作するか

 

 

 

 

ケース素材は真鍮製で

かつては3Dプリントしたケースを使おうかとか思ったのですが、ワッズ作成などで経験してみた結果の結論として3Dプリント製のケースではガス圧に余裕で負けそう。

なら安くて軽くて加工が簡単なアルミか?と思いましたがアルミはやっこいのでやっぱり耐久性の問題がありそう。

 

という事で材料はスタンダードに真鍮製にする事にしました

 

16GA用の真鍮ケースが手元に1つだけあるので、これをみながら色々研究。

 

 

色々なメーカーのロンデルで研究

ケースからロンデルなどの真鍮とシェルを分離するのは簡単。

私の場合は鉛を溶かすのに使用している電熱プレートがあるので、そこの上にケースの底を下にして置いてしばらく待つだけ。

そうすると真鍮とシェルをくっつけている接着剤だかが溶けるので、シェルを上に引っこ抜けば良いだけです。

フライパンでもできるんじゃない?

 

 

で、真鍮だけになったら色々計測とかができるようになります。

 

多くのメーカーはリムに開いているプライマを入れる穴は、真鍮を*みたいに丸くカットして中に折り込んでいます。

上から覗くと王冠見たくなってる。

そしてシェルのプラスチックの方でプライマを包むように挟んでいる感じですね。

 

 

私が参考にしたのはFEDERALとWINCHESTERのプライマを入れる部分ですね。

真鍮だけでプライマをガッチリ掴むよう内側もしっかりと作られている。

 

そこの部分はヘッドっていうのかな?

それとロンデルの部分は削り出しかと思ったら、そうではない。

ヘッドとパイプを何かでくっ付けている。

上の画像を見てもそれがわかる。

 

真鍮のパイプとヘッドを用意すればケースが作れるって事ですな。

FEDERALのロンデルからヘッドだけを分離するのもありかな?

と思ったけれどロウ付けされているなら分離させるのは大変。

なので、真鍮の丸棒を加工して底を作るのが手っ取り早そう?

 

でも丸棒を加工となると旋盤が必要になってきます。

旋盤は高いんだよなー。

 

 

とりあえずリムとかプライマの穴とか色々と寸法をノギスで計測してFreeCADで図面を起こした。

 

で、3DプリンタELEGOO MARS3でSirayaTechのFastというレジンを使って印刷。

コストは数十円だったかな。

 

 

 

3Dプリントしたケース

サポート痕を耐水ペーパーで削り取ってパイプとリムを結合。

 

サイズとか

ケースの全長はリムの底から計測。

大体ですが3インチと2.75インチ、つまり2と3/4インチでした。

CADで設計しているからその寸法になるのは当然なのですが、3Dプリントするとちょっと歪んだりするので心配でした。

 

リムとパイプを結合する部分ですが、パイプの内径18mmより若干削って設計してます。

ピッタリサイズだとハマらないのは以前モールドを作成した時に経験しているので。

 

一番心配していたのはプライマを入れる穴ですね。

ここは正確に計測できなかった部分なので、直接プライマの寸法を測ったりしました。

プライマも底のTの部分が薄くて短くて計測が難しかったので「勘」で作りました。

 

結果見事にプライマがピッタリはまってくれました。

Tの部分も削った溝にうまくハマってくれました。

 

これが本番で役に立ちます。

削る幅や深さの図面が完成している訳ですからね。

3Dプリントしてテストできるのは本番で失敗する可能性を減らしてくれるので大変有意義ですね。

 

パイプの中にはいるリムの部分ですが、今回はプライマの高さを目処に設計しました。

火薬もプライマより上に全部ある事になるのでガスの効率は良いだろうと勝手に考えています。

ただ真鍮は多く使ってしまいます、1本の丸棒から作れる量は半分くらいになるかも。

 

銃にケースを装填

それではSavage212に3Dプリントしたケースを入れてみましょう。

 

マガジンには3インチのケースは収まりませんでした。

普通に考えてケースは撃った後3インチになるので、マガジンは撃つ前のケースを入れるのでそのサイズでは作らないですよね。

ただM870のマガジンはチューブ式なので3インチのケースも入るはずです。

銃身もハーフライフルの方の薬室は確か3インチ対応だったと思います。

 

続いてマガジンに入っているケースが装填できるか。

これはダメでしたね。

パイプの上は面取りしていないので、どこかに角が引っかかるようです。

本番では面取りする必要がありそうです。

それと3Dプリントしたケースは滑りが悪いですから、ただでさえ装填で問題のある散弾銃のボルト式ではジャムるのは当然かも。

一方本番のケースは真鍮製で滑りますから、その点は心配ないかも。

スチールのダミーカートリッジではジャムった事がないからです。

 

続いてケースが薬室に収まるか。

パイプ部分は外径20mmなので、プラスチックのケースよりも外径が若干小さいですから問題ないですね。

問題は実際に火薬を詰めて撃った時に、微妙なロンデルに当たる部分の直径が小さいのでガス漏れしないかどうかですね。

3インチの長さも問題ないですね。

薬室は3インチ対応なんで。

 

ボルトでリムを掴んで取り出すこともできたので、リムのサイズや形状も問題ないようです。

本番ではリムの上にろう付する関係上、リムの上が少しモッコリします。

その辺のプラスチックケースのリムの上もそんな感じなんで問題ないけれど、寸法の計測はもっこりも含めなので心配。

一応もっこり含め2mmの数値だったので、リムのサイズは1mmにしてはいますけれどね。

 

ちなみに3Dプリントしたリムはボルトを倒した時に割れました。

 

 

 

真鍮のケースで必要になりそうなもの

漏斗

プラスチックのケースにガスシールやらを入れる時に、ケースの口を広げる必要があります。

真鍮ケースではそれができないだけでなく、内径も狭いです。

なので、漏斗のようなものを作成してガスシールやら弾頭やらをケースに入れなくてはなりません。

3Dプリンタで作れるかな。

 

 

リサイジングダイ

撃った後でケースは膨らむので、外径20mmで内径18mm用のリサイズするダイを作らないといけないかも。

一応LEE LOAD ALL2のリサイジングダイがあるけど、外径しかリサイズできないからなぁ。

ダイは旋盤があれば作れそうだけれど、ダイを付ける外す為のプレスが必要か。

LEE Load Allでは真鍮ケースからダイを外せるだけの深さがない。

 

 

プライマを外す器具

プライマをはめている部分が深いけれど、LEE Load Allで3インチのケースのプライマも取れました。

 

 

オーバーショットカード

真鍮ケースは弾頭がケースから落ちないよう上にフタが必要。

それをオーバーショットカードというらしい。

紙とかプラスチックとかでできていて、それをグルーでケースにくっつける。

3Dプリントでも直径18mmでくり抜いた2mmコルクとかでも良さそう。

 

 

 

最後に一言

今まで生きてきて旋盤を触ったこともないし、多分見たこともないです。

真鍮ケースが欲しい、から、旋盤を買おう という発想になる人は世界中探してもレアだと思います。

ケース作りを思い立ってからは色々と勉強をしましたけれど、まだまだわからないことだらけです。

 

とか考えていると「弾頭」も作りたくなって、「フライス盤」を購入する必要があって、さらに弾頭形状によっては「センターバイス」も買わないといけない、とかいうループに陥る。

でもそれらで作るのは、売っていれば数千円のもの。(モールド)

 

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