私は今年の4月に両膝の手術をしてからタツマで立ったまま動かずに息を潜めて待つことが難しくなりました。
片足に長時間体重を乗せられないので立っているだけで左右にフラフラ動いてしまいます。
それでは猟にならんって事で、ほぼ立ったままでも使用できる椅子 「LOGOSエアライト1ポールシート」 を今年の6月に購入。
この椅子を半年使用してみて分かったことなどをレビューします。
タツマは座って待つ
両膝の手術以前からタツマは立っているより座った方が良いと実感していたので、座れるなら座って待っていました。
座ることのメリット
タツマでは立っているより座って待っていた方が獲物に気取られにくいようで、自分の目の前で獲物が止まりやすくなる感じがします。
座れば高さが減るし、動きや音も減るから気取られにくい感じですかね。
萱などにも隠れやすくなるのもメリット。
座っていると膝に肘を乗せる事ができる場合が多いので、止まっている・正面から来る獲物に対しての射撃精度も上がります。
座ることのデメリット
座れないタツマでは立ちましょう。
座ることの最大のデメリットは目線が低くなる事。
目線が低くなると見える範囲が結構減ります。
立っていれば簡単に撃てる獲物なのに座っていたら獲物が来たことすら判らないなんて事にもなりかねません。
座るとバックストップが減ります。
座っていると腰の回転が制限されるので、横に移動する獲物を狙える範囲は狭くなります。
地面に直接座ると尻から体温を奪われるので、尻には何か敷いた方が良いです。
以前は折りたたみの椅子を使用していましたが地面がボコボコだと非常に使いにくい。
椅子の接地面は4箇所あるのに、山では条件により1箇所しか接地できないとかザラ。
なので椅子を持参しても結局地面に直接座ったりしていました。
以前使ってた折りたたみ椅子はこれ
1ポールの椅子を検討
タツマではナイフ・スリング・管理捕獲セットなどを持ち歩くので、椅子もカバンに入れる事ができるのが理想です。
椅子をポーチに入れてカバンの外に取り付けもできますけど、邪魔そうなのでできればカバンの中へ。
椅子が地面の影響をさほど受けないようにするには椅子の足が少ない方が良いので、足は1ポールが良いかなと思いました。
1ポールでは座った時に安定しないのではないか?と不安になったりしましたが、よくよく考えると椅子を安定するには3本の足があれば良いので
自分の足2本 + 椅子の足1本 = 3本
なんとかなりそうですね。
1ポール椅子で検索するといくつか商品が出てきましたが、検索上位に表示された商品の1つに「LOGOS エアライト1ポールシート」がありました。
そういえば海外のハンティング用品で1ポールの椅子を見たような記憶がありますが、「LOGOS エアライト1ポールシート」はそれに近い形状な気がします。
この椅子は3段階の伸縮できるのですが、高さは61/52/42cmの商品と74/64/51cm(ハイポジション)の商品の2種類があります。
収納サイズはそれぞれ32cmと38cm。
この椅子は最大まで伸ばせばほとんど立ったまま座れる椅子です。
今までは座ってしまうと見通しが悪くなるので泣く泣く立っていたタツマでも使えるのでは?
私は素足で立った状態での尻までの高さが76cm、膝下までの高さが42cmです。
スパイク長靴を履けばもう少し高さは稼げますので、どちらの商品を購入しても問題ないです。
どちらの商品を購入するか悩みましたが、ハイポジションを購入することにしました。
立ったままに近い座高を確保したかったから。
この椅子を使用すれば今まで立つしかなかったタツマでも座ることができるので、より気取られにくくなるでしょう。
LOGOSエアライト1ポールシート ハイポジション 半年使用してのレビュー
商品レビューまで半年かかったのは、椅子に座ったまま撃つ機会がなかったから。
椅子の収納と組み立て
この椅子には持ち運び用の専用ケースが付属しているのですが、ケースに入れてしまうとカバンに入らなくなるので私はこの状態でカバンに収納。
組み立ては本体にゴムで繋がれている3本のフレームを、折り畳まれている状態から立て、座面のポケットに差し込むだけ。
前側のフレームをポケットに差し込むのが硬いのでちょっと大変。
それだけ座面が丈夫という事ですかね。
3段階調整のそれぞれの高さ
最低の高さ51cm
真ん中の高さ64cm
最大の高さ74cm
山の状態で椅子の使用感は変わります。
画像は傾斜が左足後方側に高くなっています。
例えば椅子が足より低い位置にあるなら足が最大の高さでも立った状態より少し低い。
椅子が足より高い位置にあるなら足が最大の高さだと足が届かない場合もあるかも。
山によって61/52/42cmと使い分けられれば最高ですね。
椅子の足は地面に突き刺さる
地面は硬いところもあれば落ち葉が幾重にも積もっている、雪が深く積もっているところもあります。
落ち葉や雪がたくさん積もっているようなところは流石に椅子が1本足だとズッポリと深く刺さる。
足が最低の高さだと足が完全に沈む場合には、足を伸ばして対処できるのはメリットですね。
椅子に楽に座るには
自分の足と椅子の足を足して3本足なので座っていてもバランスは取れますが、木に寄りかかるように座るとバランスが圧倒的に良くなります。
背中側に木を背負えば背もたれのある椅子に座っている感覚で使用できます。
山の傾斜が横方向にあるなら、谷側の木に寄りかかるよう座ると楽です。
発砲した時にバランスを崩さないか?
この検証ができなくてレビューを見送っていました。
木を背負っていない状態で銃を発砲してもバランスは崩れませんでした
撃つ時にのけ反ったりする人はバランスを崩すかもしれませんけど、木を背負えばなんとかなるかもしれません。
横に移動する獲物も狙える
3つ足椅子、4つ足椅子、地面に座るでは尻を固定しているので腰が回らず銃を横に振れる範囲が狭くなります。
1ポール椅子は地面に刺さっている足が回転するので、思っていたより銃を振ることができます。
足モモ裏が痛くなる
これ、この椅子の最大の弱点かも。
この椅子の形状的に座面前方付近が足モモ裏に干渉します。
モモ裏の内側あたりかな。
座面は結構硬いので、長時間座っていると足モモ裏内側に食い込んで次第に痛くなってきます。
最大の高さで使用している時が最も痛いです。
購入時から半年使用したところで座面は柔らかくなった感じはしません。
それだけ丈夫に作られているということなのでしょう。
座布団のようなものを敷いて痛くならないようにしようと思いましたが、持ち運びが大変なのでどうしたものかと。
で、試したのがヒップガードを履くことでした。
プロックス 低反発ヒップガードロング
ヒップガードで検索すると色々な商品がヒットするのでどれにしようか迷います。
椅子に座っていて痛くなるのは足モモ裏なので、尻だけガードするような商品では意味がありません。
で、たどり着いたのが釣具メーカー「プロックス」の低反発ヒップガードロング。
「ロング」です、普通のヒップガードは尻しかガードしません。
ロングは尻下までガードしてくれます。
低反発ヒップガードロングの装着感
体に固定するベルトは腰と各足の合計3ヶ所。
ベルトはベルクロで固定するのである程度までの締め付け調整ができます。
腰のベルクロをとめる位置を間違えるとヒップガードが尻からパカパカ浮いてしまうし、足のベルクロは長さが余るしで違和感が半端ないです。
腰のベルクロはヘソより上の位置(私はアバラの下)で固定し、足のベルクロはモモで固定するのが自分の体格では正解かな。
画像の付け方はつける位置が低いので、尻付近が浮いてますね。
腰ベルクロの位置は腰ポケットと干渉しやすい位置になるので、インナー・フリースとジャケット間で腰ベルクロをとめるのが良いです。
使用感
尻部分はエンボス加工が施されたヤワカタ素材なので石の上に直接座っても簡単に破れたりしなそう。
また低反発素材が尻の下よりチョイ下まであるので、1ポール椅子に座っていてもモモ裏は全然痛くなくなりました。
石の上に座っても痛くも冷たくない。
また防水仕様なので地面が湿っていても尻は守られます。
ヒップガードをつけた状態で歩行
ヒップガードをつけた状態でも歩行はできます。
歩行中にヒップガードが外れた事はありませんが、付け方によってはズレる。
が、足をベルクロでキツく締め付けていると山を歩くのがしんどくなるので、付けたまま歩くときは足ベルクロはゆるめた方が良いですね。
タツマで山を登るくらいなら問題ないです。
収納
このヒップガードは結構嵩張ります。
尻部分は折り畳めなさそうなので、収納サイズは尻サイズより小さくなりそうもないし素材がネオプレンなので厚みモリモリ。
使用していない時は邪魔でしょうがないです。
暖かい
ヒップガードを使用していると非常に暖かいです。
ヒップガードを外した時に特に実感します、こんなに尻とモモ裏を保温してくれていたのかと。
素材でネオプレンを使用しているので暖かいのは当然なのですが、商品購入時はそれを見落としていたので嬉しい誤算。
最後に一言
エアライト1ポールシートが痛いからと購入した低反発ヒップガードロングが想定外に快適です。
地面に直接座って撃つスタイルが一番好きなので、尻が濡れない・汚れない・冷えないのは最高ですね。
付けたまま車の運転も問題なくできるので、猟のスタートから終わりまで付けっぱなし。
エアライト1ポールシートは半年で2回山に忘れました。
立ちに近い感じで使用できるので、椅子に座っていたのを忘れてそのまま撤収してしまいました。
ちゃんと回収できました。