チラシの裏

先導を失った鹿の群れはぐるぐる回り出すのか

私が猟友から聞いている話では

「鹿の群れは先導がいなくなるとどこに逃げれば良いかわからなくなり、目の前のグルグル回り出す」

 

そうなると弾が足りないくらい転ばせられるから、何がなんでも先導を転ばせと何度も猟友に言われてきていた。

これが1人からの話であれば眉唾だが、複数の人から聞いた話なので本当かもしれない。

 

2匹以上を群れと呼ぶのなら、タツマでは2019年度から狩猟を初めてから今までに5回ほど鹿の群れに遭遇し合計4匹転ばせている。

勢子では鹿の群れに何度か遭遇しているが発砲して転ばしたのは1回のみ。

 

先導の鹿は合計4回転ばせる事ができているのだが、果たして先導を失った鹿の群れは目の前をグルグル回り出したのだろうか?

 

パターン1 10匹以上の群れの場合

10匹以上の鹿の群れが犬に追われてやってきた。

 

私が向いている方向と逆側から鹿の群れが現れた訳だが、鹿が走る足音で後方から近づいて来ている事はすぐにわかった。

シチュエーションとしては鹿は後方の山から私の待つ緩い斜面(ほとんど平)の山側へ逃げてきた。

 

今まで鹿を転ばせた事がなかったが幸いな事に(多分)先頭を仕留め、先頭から何匹目か分からないがもう1匹も続けて仕留める事ができた。

初めて鹿を転ばせたから興奮していたからなのか何匹目を撃ったか記憶が曖昧。

1匹目はそこそこサイズのオスで弾を心臓付近に受けた後も50m以上走り続けたのち力尽きていた。

2匹目は小さめのオスで足に弾を受けていたのでその場で崩れ落ちた。(止め矢を入れる必要があった)

 

犬は2匹目に止め矢を入れてからだいぶ遅れて到着したので、どちらかと言えば鹿は全速力ではなく余裕を持って逃げていたと思われる。

 

このパターンでは1匹目は弾を受けてからしばらく走ったのち絶命した訳だが、転んだ場所は私のタツマからブラインドだったので絶命した場面を私は見ていない。

私が1匹目が転んでいるのを確認できたのは犬が到着してからしばらく経ってからなので、もしかしたら後続の鹿は1匹目が転んだあたりでグルグル回っていた可能性はある。

しかし転んでいた場所がいくらブラインドだったとはいえ、グルグル回っているような足音は聞いていない。

この日は雪が積もっていたが鹿の群れは大きな足音で私のタツマにやってきた。

なので鹿が余程静かに歩いたりしていない限り足音は私に聞こえていたはずである。

 

パターン2 2匹の鹿を正面から撃つ

鹿は勢子に追い出されて走ってきた。

左手が山の斜面で右手は崖、前方に山と谷、というシチュエーション。

 

鹿の群れは前方の山から左手の斜面方面へ登るように谷へ降りてから、進路を変えて私の待ち受ける山へ登ってきた。

1匹目のやや大きめの鹿はオスで斜面を登りきるあたりで私に胸を撃たれてすぐに絶命、斜面を右手へ滑り落ち木に引っかかる。

2匹目の小さいオスは1匹目が倒れた後、逃げる方向を90度変えて右手の崖を降って行ってしまった。

もしかしたら1匹目が斜面を滑り落ちから滑り落ちたその方向へ進路を変えた可能性もある。

 

私は発砲するまで獲物に気取られるようなダメなタツではないと思うので、2匹目は私が発砲するまでは私の存在に気づいていなかったはず。

1匹目が倒れた時に2匹目は明らかに逃げる方向を見失っていた。

1匹目が倒れた場所はウトの左右が丁度木だったから、2匹目が逃げるルートが一瞬だが塞がれたようだ。

なので逃げる方向が分からなくなったかもしれない。

もしかしたら鹿のぐるぐる回るシチュエーションはこのような時に起きるのかもしれない。

 

実際には2匹目が右手を向いているタイミングで私がすぐに発砲して外したので、崖に逃げられてしまったのだが。

 

 

パターン3 2つの群れを目の前がブラインドの状況で迎え撃つ

勢子は犬をつれているが、訓練中の犬なので鹿を無理に追ったりはしていなかったと思う。

 

私のタツマの目の前に10mもない位置には向こう側が見えない程度の低い山があり枯れた沢がある、右手側に若干下り斜面になっている。

そして枯沢から3mほど斜面を登ったら位置が私のタツマというパターン。

 

1匹目の鹿が目の前の尾根に出るまでは私は鹿の位置は音でしか判別できなかったので、鹿は私の存在は全く気づいていなかったはず。

1匹目の鹿は小さめのメスで、尾根から枯沢を完全に降りて斜面を登り始めたあたりで発砲。(斜面を上る前に止まると思ったが止まらなかった)

1匹目の鹿は心臓付近に弾を食っていたが私の左手側の斜面をそのまま登ってきて、私からブラインドになっている(見えるが)細木の藪に隠れてしまった。

 

後続の小さめのメス鹿は何事もなかったかのようにそのまま予定通りのルートを走っていってしまった。

続いて現れた2匹の大きめのオス鹿は別の群れで余裕で私の右手を抜けていった。

 

このパターンでは先頭は絶命して居なかったが足が止まった。

なのに後続はそのまま予定通りと思われるルートを走り去っていった。

メス鹿や子供では先頭を走っているといってもリーダーという訳でもないのだろう。

倒れようが後続の逃げる道筋の方針に影響を与えるほどではないのかもしれない。

 

パターン4 止まっている鹿の群れの先頭?を転ばせる

勢子をやっている時にタツマが待ち伏せている林から平に飛び出してきた3匹ほどの鹿の群れ。

平で立ち止まっていたので先頭の子供のメス鹿を転ばせる。

 

発砲したら残りの2匹はタツマがいる林とは逆の林へ走り出した。

鹿は林など隠れられそうな方向へ逃げる。

 

今回のパターンは先頭はメスで子供でしかも止まっていたので、後続のシカが逃げる方向に迷うほどの影響力は皆無だったようだ。

後続の鹿はそのまま頭が向いている方向へにげだしたといった感じ。

 

 

どのようなパターンだと後続の鹿が回り出すのだろうか?

あくまでも予想だが、ハーレムを築いている鹿の群れだと先頭を走るのは大きな角をもつ唯一の大人のオス鹿ではないだろうか?

そのような群れのオス鹿を転ばせれば後続のメス鹿は頭が混乱して回り出す可能性があるのではないだろうか?

 

大きな角を持つがオスだけの群れもある。

この場合は先頭を転ばせても後続が回るかは分からない。

ハーレム競走で負けたオスの群れなので、先頭がどれだけ後続に影響力を持っているかは分からない。

 

または「パターン2」のように、先頭が転んだ事により逃げ道が突然塞がれてしまった場合は後続は回るのだろうか。

しかし先頭が木と木の間に入ってきたタイミングで転ばせられるようなシチュエーションはかなり少ないと思う。

このようなパターンに持っていくには、鹿を正面から撃って即転ぶか、弾を食った鹿が間隔の狭い木と木の間で丁度転んだか。

 

または鹿がぐるぐる回ったという話が「たまたま先頭を撃ったら後続が回り出しただけ」の可能性すらある。

 

この謎が解明できたら今後少人数で駆除をやる場合に大変有利になる。

たとえ群れが走っていなくても、群れの中のとある1匹を転ばせれば他の鹿は走り出さずにぐるぐる回るのだから。

 

 

最後に一言

先頭を転ばせても全然ぐるぐるにならない。

私が狩猟を初めてから1年以上、グループはいくつも鹿を転ばしている訳だが、「ぐるぐる」になったという話は聞かない。

 

もしかしたら猟友の何十年の猟歴の中で、たまたま先頭を倒した時に「ぐるぐる」が発生した時の印象が強すぎる可能性すら考えられる。

だから先頭を転ばせば「ぐるぐる」になる(先頭を転ばせばなるとは言っていない) レベルなのかもしれん。

 

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