ワッズとクッション付きガスシールを作成するレジンを変更してみました。
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レジンを混合するのは良くないかも
光造形式3Dプリンタで使用するUVレジンは、硬化させるとカチカチに硬くなります。
で、造形物が硬いと衝撃で割れてしまう。
普通に使用している分には割れる事はあまりないのですが、銃で撃つレベルの衝撃では簡単に割れてしまいます。
なのでSirayatech Tenaciousなどのフレキシブルレジンと混合させることで、銃の衝撃でも割れにくいレジンにする事ができるんですね。
以前使用していたガスシールはちょっと柔らかいRESIONE TH72とTenaciousを8:2で混合して作成。
銃で撃っても特に問題はありませんでした。
ちなみにクッションはTenacious100%で作成していたのですが、射撃時に破れるようなので使用をやめました。
という感じだったので、新たに作成したクッション付きガスシールはTH72とTenaciousを2:8で作成したんですね。
混合比率が逆転したのは、クッションとして使用するには2:8の混合比率じゃないと良い感じでクッションが凹まなかったから。
前回のブログでも書いたかもしれないけど、印刷が終わった造形物を見ると、それぞれの色が微妙に違っていたんですね。
色が違うってことは、TenaciousとTH72の混合具合が、印刷される位置によってまちまちということ。
つまり造形物の硬さ・柔らかさがまちまち。
ということは、同じ硬さ・柔らかさの造形物が再び作成される保証がないわけで。
硬さ・柔らかさが違うと、クッション性やガスシールの動作が変わるわけで。
TH72が8でTenaciousが2の時は混合比率が変わっているような感じはなかったんですけどねぇ。
で、このクッション付きガスシールを用いた弾を撃ってみたのですが、正直微妙。
前回LONGSHOTを36.5グレイン詰めた弾がまとまったのですが、その前後の火薬量の精度が微妙だったので信用できない。
これはマズイ状況です。
3Dプリントしたものだけでの弾作りが振り出しに戻りそう。(以前かなり良いところまで行ったのでそれに戻る)
1つのレジンだけで、散弾銃のショットシェルに入れるワッズとかクッション付きガスシールが作れればかなり楽なんだけど・・・
つまり、ワッズはしっかりと滑り、クッションがしっかりとクッションしてくれ、ガスシールはガスをしっかりと受け止めてくれるレジン。
レジンじゃないけど、ポリプロピレンが理想的です。
まだ試していない気になるレジンはたくさんあるのですが、コストが高いものが多い(RESIONEとか)。
どうしたもんかなと思っていたら、安くてフレキシブルなレジンがありました。
フレキシブルだけなら特に必要性は感じないのですが、このレジンは硬さもあるとのこと。
それは
ANYCUBIC UV TOUGH RESIN
ANYCUBICというと、黄色い3Dプリンタを販売しているメーカーとして知ってはいましたが、レジンを販売しているのは見逃していました。
このメーカーが出しているタフレジンが、Amazonで「フレキシブルレジン」の検索ワードでヒットしたんですね。
内容を見てみると、商品説明画像がフレキシブルレジンの紹介の仕方そのもの。
ハンマーでボールを叩く画像ね。
商品ページにスペックが掲載されていますが、私は数値を見ただけでは実際の硬さと柔らかさは解りません。
とりあえず掲載されている画像から、このレジンは柔らかくて硬いのだろうから、購入して造形物を作成して確かめてみようかと。
購入したのは、なぜか他のカラーより2000円安い「透明緑」。
1kgで4,000円もしないので、TH72より1,000円以上やすい。
タフレジンの第一印象はサラサラ。
Sirayatech Fast的なサラサラ。
FAST的な脆さだったらどうしよう、との考えが頭をよぎりますが、とりあえずクッション付きガスシールを作成してみる事に。
印刷設定は公式サイトをチェックしても、ANYCUBIC用の3Dプリント設定しか掲載されていなかったので、TH72と同じにしてみます。
ELEGOO MARS3で同時に印刷される造形物は24個(以前作成したCHITUBOXのデータを流用したので)ですが、いくつかは失敗していました。
後ほど判明したのですが、FEPフィルムに穴が。
印刷時間は1時間30−40分くらい。
洗浄は3分位。
2次硬化は25分。
出来上がった造形物のクッションはちょっと硬い感じがしたけれど、一応クッションっぽく機能するっぽい。
とりあえずワッズもタフレジンで作成してみた。
LEE LOAD ALL2を利用して、クッションをガスシール側から押すテストでは粉々に砕ける時もあった。
ダメかなーって感じだったので、とりあえず火薬量はロングショット34グレインで、実包を5発分だけ作成。
なんで5発だけかというと、5発撃ってダメだったら、他に作った弾が ダメとわかっていても撃ち尽くさないと、ショットシェルケースが再利用できなくなるから。
火薬と雷管が勿体無いでしょ?
撃つ前の予想では、撃ったら抜けた感じのリコイルがして、銃口からは破片が飛ぶはず。
実際に撃ってみると、抜けたリコイルは2発目だけで、それ以外は普通に火薬量に見合ったリコイルを感じた。
銃口から破片がバラバラと落ちたのも2発目だけ。
そして驚いたのが、精度が悪くないこと。
良いというほどのものではないのだが、全部的紙に当たっていた。
縦にバラけはしたけど、横にはそれほどバラけていない。
これは期待できるレジンじゃぁないですか?
混合レジンで作成した弾はどこに飛んでいくのか想像できない精度だったのに。
2発目が抜けたリコイルになったのはガスシールが割れたからだと思うので、これはガスシールの設計次第でカバーできるかもしれない。
他の4発は抜けなかったので、設計の問題ではなく、レジンの洗浄・乾燥の問題だったかもしれないけど。
とりあえず再設計するです。
気になるのは、クッション。
テストで粉々に砕けた事が気になる。
これも設計次第でどうにかなるのか?
とりあえず、レジンは1kgあるので色々テストしてみます。
最後に一言
ANYCUBIC UV TOUGH RESINが使い物になるなら、他のレジンはイランですね。
TH72がそうなると信じていた時もありました。
透明緑なら1kgで4,000円しないので、レジンとしてはかなり安い部類。
値上げしたとしても他のカラーと同じ値段なら、まだ許容範囲か?