猟銃を所持できる条件
日本でも条件を満たせば猟銃を所持する事が可能です。
条件をざっくり説明すると
- 20歳以上
- 定まった住居がある
- 破産していない
- 危ない付き合いや犯罪行為をしていない
- 精神的に問題ない
- 家族も同上(20歳以上の条件は除く)
もっと細かい条件があるのですが、20歳以上の健全者であれば所持できるという内容です。
自身や家族が銃を危ない行為に使用する可能性がある人は残念ながら銃の所持はできません。
銃を所持したいがために虚偽の申告をしてもしっかり時間をかけて警察に調べられますので無駄な行為です。
自宅にガンロッカーと装弾ロッカー(空気銃は不要)を設置できないと所持許可が出ないので、賃貸の方は注意してください。
所持できる銃の種類
一般的に日本で所持可能な銃の種類は【散弾銃】【ライフル】【空気銃】のいわゆる猟銃と競技用の銃となる。
ハンドガン(競技者は可能)や軍用銃は所持ができません。
散弾銃も装填は3発(薬室1発・弾倉2発)しかできないように改造されたものしか所持できませんし、銃身長、銃身の長さも条件を満たしたものでなければなりません。
ライフルは散弾銃を継続10年所持していないと取得の許可が得られません、ライフルの装填可能数は6発まで(薬室1発・弾倉5発)。
空気銃は散弾銃より所持するまでの手順が少ないです、装填可能数は6発までですが弾倉経由でしか薬室に弾を装填できなかったりするので実質5発。
銃を輸入して購入する事は可能ですが、装填可能数が海外で売っている製品とは異なりますので、輸入前に装填可能数の改造を行ってもらう必要があります。
また銃身内にライフリングが刻まれている散弾銃はそのままでは輸入できません、銃身の半分以下までライフリングを削り取ってもらい輸入する必要があります。
その他日本の警察に提出する書類作成をしてもらったり、所持許可を得るまでその銃を保管してもらう必要があるなどハードルが高いです。
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銃を所持したらできる事
銃を所持してもできる事は【射撃場での射撃】【狩猟および有害鳥獣駆除(管理捕獲)】のみ。
射撃場で可能な射撃はクレー射撃と標的射撃のみです。
クレー射撃はトラップ射撃(シングル・ダブル・トリプルとフィールド・ジャパン・国際)、スキート射撃(フィールド・ジャパン・国際)、ラビット射撃。
標的射撃は紙のマトを狙う静的射撃と、紙のマトが横に移動するのを射撃する動的射撃(ランニングターゲット)になります。
スチールのマトを狙う、スイカを射撃したり缶や水の入ったボトルを射撃する、風船を射撃する(これは射撃場が許可を取っていれば可能)などといった事はできません。
狩猟は散弾銃・空気銃・ライフルを用いて狩猟を行う事が可能な【第一種銃猟免許】と空気銃で狩猟を行う【第二種銃猟免許】があります。
撃てる動物は狩猟鳥獣に限られていますし、銃による狩猟が可能なのは猟期中の日の出から日の入りまで。
有害鳥獣駆除や管理捕獲であれば猟期期間外も指定された鳥獣であれば捕獲可能です。
有害鳥獣駆除は狩猟者登録が行われている狩猟経験者で、猟友会や駆除を行う会社に属していれば参加可能です。
猟期以外で有害鳥獣の被害にあっている農家などが役所などに依頼を行い、役所から依頼された猟友会などが対象の有害鳥獣を捕獲するという仕組みです。
管理捕獲は県や市が主導となり農家などに被害を与えている鳥獣の全体的な数量をコントロールするために行われています。
猟銃を所持するまでの手順
大まかな流れです。
事前に今後末永くお世話になるであろう銃砲店へ赴き話を聞いておきましょう、鉄砲を入手するまでの手順や揃える書類を教えてくれたります。
- 猟銃等講習会受講申請
- 猟銃等講習会
- 教習資格認定申請(猟銃用火薬類譲受許可証申請)
- 射撃教習
- 銃砲店で購入したい銃の予約
- 猟銃所持許可申請
- 猟銃所持許可証発行
- 鉄砲店で銃の受け取り
- 警察で銃の確認
1.猟銃等講習会受講申請
居住地の警察署へ行き猟銃等講習会の申込を行います。
申込に際し過去3か月以内に撮影した証明写真が必要です、街によくある証明写真のボックスなどで撮影しましょう。
【無背景の縦の長さ3.0センチメートル、横の長さ2.4センチメートルのもので、裏面に氏名及び撮影年月日を記載】
警察での書類申請・受取りには印鑑が必要となりますので毎回持参するようにしましょう。
警察の生活安全課が銃関連の手続きを行っているので、生活安全課にて「猟銃等講習会の受講申込をしたい」と伝えます。
初心者講習会の申込用紙を渡されるので記入し、写真を渡し書類に押印してください。
猟銃等講習会受講申請手数料は6,800円で、警察署内で印紙を購入し渡してください。
これで手続きは終了です、
講習受講申込書と猟銃等取扱読本が手渡されるので、必ず熟読してください。
初心者講習会(試験日)までに細かい数字も全て覚えるようにします。
初心者講習会へ向けた模試問題集はAmazonなどで購入すると良いでしょう。
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2.猟銃等講習会
講習受講申込書と猟銃等取扱読本と筆記用具を持参して参加してください。
猟銃等講習会は考査(試験)に合格させるための講習ですので、考査に出る範囲を教えて貰えます。
すでに猟銃等取扱読本を熟読していると思いますので、本の内容よりもどこが考査に出題されるのかを重点的に聞いてメモしてください。
講習は昼休憩をはさんで午後も行われます。
講習が終了すると、いよいよ考査の開始となります。
模擬問題集をしっかりとやっていればわかると思いますが、一般常識があれば答えられる問題が多いと気づきます。
難しいのは銃の全長や銃身などの長さ、弾丸の最大到達距離、どのような犯罪をすると5年・10年間猟銃を所持できないのか等の数字関連だと思います。
考査問題は講習会で教えてもらった範囲から出題されています。
答えは○か×で答えるだけなので簡単です。
しかし、考査の問題は確かに猟銃等取扱読本の内容から出題されているはずなのですが、問題の意味が解り難い箇所があります。
長年培ってきた国語の能力が問われてしまいます、読解能力次第では答えは○にも×にもなりえてしまいます。
国語が不自由な方々は問題の意味を正しく理解できずにふるいにかけられてしまうかもしれません。
考査時間は余るほどありますので見直しは複数回行いましょう、終わってしまえば退出できます。
考査に合格すれば【講習修了証明書】が当日貰えます。
空気銃の所持を希望する方はこの時点で銃砲店にて空気銃の予約が可能ですので【5】へ。
散弾銃の所持を希望する方は教習資格認定申請【3】へ
3.教習資格認定申請
教習資格認定申請は揃える書類が多かったり、審査に時間がかかります。
教習資格認定は射撃教習を受ける資格があるかどうかの審査です。
射撃教習は実銃と実包を取扱いますからしっかりと時間をかけて身辺調査されます。
教習資格認定申請前に揃える必要がある書類
講習修了証明書
猟銃等講習会で発行された書類。
写真(2枚)
猟銃等講習会で使用した写真が撮影から3か月以内であれば余りを使用可能です、裏面に氏名及び撮影年月日を記載。
本籍地の市区町村長発行の身分証明書
破産宣告していないかどうかの書類です、本籍地の役所で発行してもらえます、手数料300円。
診断書
病院で精神疾患がないか、アルコール・薬物中毒ではないか等を診断して診断書を発行してもらえます。
病院によっては1万円以上取るところもあるし、ハンター向けの病院であれば2,000円未満だったりします。
経歴書
職歴と住所歴を記載します。
同居親族書
住民票の内容を記載します。
上記書類を揃えたら、上記書類と印鑑を持参して警察の生活安全課へ行きましょう。
教習資格認定申請書はその場で記入しても、自宅で記入してもかまいません。
【所持希望銃種・型式】は「散弾銃 上下2連式】とでも記載しておきましょう、実際に購入する銃は自動装填式でも全く問題ありません。
書類を提出すると何故銃を所持したいのか?や欠陥事項について等質問があります。
各書類を提出したら教習資格認定申請手数料として8,900円が必要ですので、警察で印紙を購入してください。
【教習資格認定書】の発行まで35日+数日待ちますが、この期間に警察が自宅へ訪れて身辺調査を行いますので都合の良い日を伝えて立ち合います。
また家族やご近所への聞き込みも行いますので、事前にご近所さん(1,2件)にその旨伝えておいたほうが良いでしょう。
自宅へハガキが届いたら警察へ向かいます、印鑑を持参してください。
生活安全課から【教習資格認定書】を受け取ったら【猟銃用火薬類譲受許可証申請】もその場で申請してしまいましょう。
射撃教習では実包を使用するのですが【猟銃用火薬類譲受許可証申請】がないと実包を手にすることができません。
記入方法は生活安全課で教えてもらえます、数量は射撃教習では最低でも50発は使用しますので、150発とでも記入しておきましょう。
譲受期間は余裕をもって3か月程度で良いと思います。
猟銃用火薬類譲受許可証申請手数料2,400円の印紙を警察で購入して【猟銃用火薬類譲受許可証申請】を受け取りましょう。
射撃教習を誰に頼むかは銃砲店で教えて貰えます、教官は銃砲店や射撃場などの資格を持った人になります。
ちなみに実包は購入する必要はありません、射撃教習当日に渡されます。
4.射撃教習
指定された射撃場で行われます。
最初は座学です、DVDを見るだけです。
続いて実銃(上下2連)を用いての銃の取り扱いを教えて貰います。
クレー射撃を行うので、最初はどこに向けて銃を構えるのか、飛んでいるクレーをどのように狙えば良いのかなどを教えて貰えます。
射撃ベストやイヤーマフなどを手渡されたらいよいよ射撃です。
実包25発を手渡されベストのポケットに全て入れてしまいます。
銃を持ち射台についたら実包が装填されていないかの確認等を行い、実包1発装填、トリガーには一切指をかけてはいけません。
構えたらここで初めてトリガーに指をかけてコールを行うとクレーが飛び出しますので、落ち着いて教えられたとおりに撃ってください。
25発撃ち終えたら練習は終わりです。
休憩を挟んだらいよいよ本番。
手順は練習と同じなので割合します、2枚の皿を割ったら合格です。
射撃教習では良い銃を貸して貰えますので2枚割れないなんて事はないと思います。
私は12枚割る事ができました。
射撃教習が終了すると【教習終了証明書】が発行されます。
射撃教習 25,000円
実包50発 2,000円
クレー50枚 3,500円
射撃場利用料 500円
消費税8% 2,480円
合計33,480円
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5.銃砲店で購入したい銃の予約
いよいよ銃を購入(予約ですが)する事ができるようになりました。
欲しい銃は決まっていますでしょうか?
クレー射撃を楽しみたいなら上下2連銃を購入すると良いでしょう。
狩猟を楽しみたいなら自動装填式銃を購入すると良いでしょう。
空気銃であればプレチャージ式が人気です。
予算に応じて新銃・中古銃を選んでください。
新銃は20万円から、中古であれば5万円から。
購入する銃が決まったら、銃砲店から譲渡承諾書が渡されます。
次の猟銃・空気銃の所持許可申請では警察が自宅へきてガンロッカーの設置状況を確認します。
猟銃の場合は装弾ロッカーの設置状況を確認します。
所持許可申請時にガンロッカー・装弾ロッカーの配置図を提出するので、銃砲店でガンロッカーも購入しましょう。
ガンロッカー・装弾ロッカーはインターネットでも購入可能です、スチールファクトリーでの値段は下記の通り。
3丁用のガンロッカー 32,500円
800発の装弾ロッカー 12,000円
6.猟銃所持許可申請
いよいよ最後の申請です。
所持許可申請を行う前に必要な書類を揃えます。
教習射撃で提出したいくつかの書類は省略できますので省略します。
- 鉄砲保管状況報告書(自分で作成)
- 譲渡承諾書(銃砲店から)
- 診断書(医者で入手)
- 写真2枚(撮影3か月以内、裏面に名前と撮影年月日)
- 講習修了証明書
- 教習終了証明書
上記書類が揃ったら印鑑を持参して警察の生活安全課へ行きましょう。
再び警察での質問があります、なぜ銃を・・・・
所持許可申請書を記載したら所持許可申請手数料10,500円の印紙を警察で購入しましょう。
私は新規で2丁同時申請したので2丁目の所持許可申請手数料6,700円の印紙も別途購入しました。
印紙は合算してはいけません、別々で購入するようにしてください。
諸手続きが終わってから35日+10日位で所持許可証が発行されると思いますが、この期間内に再び警察が家に来ます。
家に来て調査する事はガンロッカー・装弾ロッカーが提出した書類の通りの場所・物が設置されているかの確認です。
7.猟銃所持許可証発行
猟銃・空気銃の所持許可証を受け取りに来てくださいというハガキが自宅に届いたら印鑑を持参して警察の生活安全課へ行きましょう。
びっくりするくらいあっさりと所持許可証が渡されます。
8.鉄砲店で銃の受け取り
猟銃・空気銃所持許可証を持参して銃砲店へ向かいましょう。
購入・予約した銃が手渡されます。(お金を払っていないなら支払います)
ガンケースが付属していないならばガンケースも購入しましょう。
銃の分解・組立のやり方は教えてくれるはずですが、教えてくれていないなら必ず聞いてください。
家に到着したら銃を分解・組立してみましょう。
警察で銃の確認をしてもらう際に分解された状態で運んでいるなら、自分で組立を行わなければなりません。
警察は手伝ってくれないので、事前に家で練習するのです。
銃の確認は警察にアポを入れてから行きましょう。
9.警察で銃の確認
最後の一仕事、警察で銃の確認をしてもらいます。
猟銃・空気銃所持許可証と印鑑と銃(ガンケースに忘れず入れてください)を持参したらいつもの生活安全課へ向かってください。
所持許可証と同じシリアル番号・銃の全長・銃身長かを調べられます。
銃の確認が終わったら許可証に確認を行った日付の記入と押印をされて許可証が返還されます。
これで晴れて猟銃の所持者としてみとめられるようになりました。
3回目の誕生日まで所持許可証は有効です。
第一種猟銃免許や第二種猟銃免許を取得して狩猟に繰り出すもよし、射撃場でクレー射撃をするもよしです。
今後しばらくは警察へ行く用事といえば【猟銃用火薬類譲受許可証申請】くらいです。
おつかれさまでした。
ここまでかかった費用まとめ
申請関連
猟銃等講習会受講申請 | 6,800円 |
教習資格認定申請 | 8,900円 |
猟銃用火薬類譲受許可証申請 | 2,400円 |
射撃教習 | 25,000円 |
所持許可申請 | 10,500円 |
所持許可申請2丁目 | 6,700円 |
合計 | 60,300円 |
申請に関する雑費
証明写真X2回 | 1,600円 |
身分証明書 | 300円 |
診断書X2 | 4,000円 |
射撃教習の実包など | 8,480円 |
合計 | 14,380円 |