個人輸入で単発中折式のGAMO G-MAGNUM MACH-1というエアライフルを購入したが、手にするまで苦労したので日記形式の記事にしてみた。
(この銃は現在日本の銃砲店で購入できます)
元々は知り合いのガンショップ(表向きは猟銃は販売していない)が実費のみでGAMOの連発式エアライフルを手荷物輸入し改造もしてくれる予定だった。
しかしコロナの影響で海外渡航ができなくなり、いつエアライフルが手に入るのかかわからなくなった。
しかも猟期まで残り1ヶ月ほどしかないので、今季エアライフル猟をするなら個人輸入するかない。
エアライフルの個人輸入ブログを作成した先人達に感謝である。
1.エアライフルを選ぶ
マガジン式のエアライフルは候補から外すと楽
海外のマガジンは10連発など、日本の銃刀法で許可されている5発以上の容量があったりします。
なので、日本ではそのままでは使用する事ができない。
輸入前にショップで改造してくれる(手数料5,000円とか)なら問題ないが、交渉が面倒だし税関到着時に何か問題があるかもしれないので単発式以外はできるだけ選択しない方が楽です。
サイレンサーが付いているエアライフルを避ける
警察で確認してもらう時に「サイレンサー付いとるやんけ!」とならないように。
サイレンサーが外せるなら外して送ってもらえば許可されるはず。
だが、サイレンサーを外すと全長が変わるはずなので全長800mm以上あるか要確認。
目星をつけたエアライフルについての情報をネットやYouTubeで集める
Google Chromeでサイトを閲覧すればどのような言語でも翻訳してくれるので、大体の内容は理解できるはず。
空気銃の見た目は良いけど威力や命中精度が・・・というのでは話にならない。
YouTubeは自動翻訳機能で日本語字幕が付けられるけれど、翻訳が微妙で意味不明だったり欲しい内容がなかったり。
でも銃を持った時のイメージや発射音、動作など映像で見られるので片っ端から見るとよし。
2.海外ショップとメールでやりとりする
2020年10月3日
私のように外国語が苦手な人はDeepLで日本語を英語に翻訳するのが良いだろう。
DeepLだけでは良い文章ができない事もあるので、翻訳された単語や文章を検索して確かめる。
たくさんのエアライフルショップに手当たり次第英文のメールを送る。
どのショップへ送るメールも最初は同じ内容だ。
「Is it possible to export air rifles to Japan?」
日本と海外は時差の関係で返事が遅れるのは覚悟した方が良い。
親切なショップから返事がきたらどんどん質問するべし
- 欲しい銃の在庫の有無
- 所持許可が得られるまでの数ヶ月間の保管が可能か
- 日本語書類への記入は可能か
- デポジット(予約金)や送料などの費用関連
1.欲しい銃の在庫の有無
もしショップに欲しいエアライフルの在庫がなければ次の入荷まで待つか他のショップへ乗り換えるしかない。
エアライフル本体がショップになければ次のステップ「所持許可申請」に進めないからだ。
2.所持許可までの数ヶ月間の保管が可能か
所持許可申請をしてから所持許可までは私の地域ではハガキが届くまで37日かかる。
「譲渡等承諾書」を警察に提出後2ヶ月程度はショップでエアライフルを保管してもらう必要がある旨を伝えた。
3.日本語の書類への記入は可能か
海外のショップは日本語書類への記載はこちらのサポートなしでは無理。
私は「譲渡等承諾書」のPDFにどこの項目に何を記載するのかを英語で説明をした。
結局「譲渡等承諾書」の全ての日本語部分を翻訳した英語版の譲渡等承諾書を作成。
4.デポジット(予約金)や送料などの費用関連
エアライフルを取り置き(保管)してもらうのに最低限デポジットは支払う必要がある。
または商品の代金とは別に保管料を請求される可能性もある。
送料が思いのほか高額になる可能性もある。(特にUSA)
もしかしたら商品代金と同じ位請求される可能性も。
もしくはエアライフルの保管を行うにはエアライフルを先に購入する必要がある。
私は譲渡等承諾書作成前に送料を含めた代金を払う約束で仮で取り置きしてもらった。
3.購入予定のエアライフルは日本で所持が可能か警察で確認する
10月6日
ショップで欲しいエアライフルが購入可能かつ保管や譲渡等承諾書の作成も可能な事が判明したら、ショップのサイト上のエアライフルのページを印刷。
口径、全長、装弾可能数など「譲渡等承諾書」に記載する内容がわかるようにする。
もしそれらの情報がショップのエアライフルのページになければ、メーカーのサイトから該当商品のスペック表を印刷しておく。
譲渡等承諾書の英語版(項目については未記入)も持参。
生活安全課へ到着したら担当者に印刷したエアライフルの用紙を渡し輸入したい旨を伝える。
理由を聞かれたので、「何故このエアライフルを輸入してまで欲しいのか」を力説した。
単純に安くて性能が良いからという事にしておいたが。
そして「譲渡等承諾書」は英語でも良いか確認。
担当者が県警本部へ確認を行い、返答は「ショップで記載してもらう譲渡等承諾書(項目なども全て英語にしてある)は英語でOK」
ただし原本は郵便で送ってもらい、私が全ての英語を日本語に翻訳すならという条件付きだった。
印刷した資料などを生活安全課へ手渡し、その書類を元に県警本部がそのエアライフルを日本の法律で所持可能かどうかの審査を行った。
結果はすぐにでた。
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4.ショップに譲渡等承諾書を作成してもらい所持許可申請をする
10月7日
購入予定のエアライフルは日本で所持可能ということをショップへ伝える。
するとショップからは譲渡等承諾書の作成とエアライフルの保管にはエアライフルの代金+送料を先に支払うようメールが来た。
もし失敗してもそれほど痛くない金額なので請求された金額を全て支払った。
譲渡等承諾書を作成をするうえでショップに注意するようお願いしたのは
- シリアル番号は絶対に間違えないように記載にすること
- 全長はリコイルパッドを除いて計測すること
- 譲渡等承諾書に記載したシリアル番号のエアライフルは絶対に他の人へ売らないように
ショップには英語版の譲渡等承諾書を10月6日に渡していたので、代金支払い後すぐに譲渡等承諾書のPDFが添付されたメールが届いた。
10月8日
英語版譲渡等承諾書の内容を全て日本語に翻訳し直し、英語版とともに警察へ持参して内容を確認してもらう。
- 字が雑で記入内容やシリアル番号がようわからん
- エアライフルの名称やショップの住所や名前も含めて全ての英語を日本語に翻訳しろ
ちゃんとした譲渡等承諾書ができたらまた来るように言われた。
シリアル番号が解らないのはマズいので、エアライフル本体のシリアル番号の写真撮影をしてメールで送るように依頼。
10月13日
ショップから送られてきたシリアル番号の写真を確認。
エアライフル本体ではなくパッケージに貼られているシリアル番号のシールを撮影したものだったが、シリアル番号は確認できたのでOKとした。
譲渡等承諾書のシリアル番号はあっているようだ。
日本語版の譲渡等承諾書を作り直して警察へ。
10月13日
警察で譲渡等承諾書を確認してもらい、OKとの事。
ショップには譲渡等承諾書の英語版をEMSで送るよう連絡。
10月26日
EMSで届いた英語版「譲渡等承諾書(原本)」と日本語版「譲渡等承諾書(翻訳)」、講習終了証明書、診断書、鉄砲保管設備状況申告書、鉄砲所持許可証を持参して警察へ。
シリアル番号が記載されたパッケージの写真も一緒に持っていった。
担当者から「譲渡等承諾書」と写真のシリアル番号の記載方式が違うと突っ込まれた。
パッケージのシリアル番号例
「00-AA-11」
譲渡等承諾書のシリアル番号例
「00'AA'11」
「譲渡等承諾書」を作り直してもらい原本をEMSで送り直すと10日以上かかる。
「譲渡等承諾書」の原本は受領済だから、今後の「譲渡等承諾書」はメールで届いたPDFを印刷したものを原本の訂正分として提出して良いこととなった。
あと字がやっぱり汚いと言われた。
所持許可後に記入ミスが発覚すると、所持許可が取り消しになる旨をショップに伝える。
なので下記の写真を私に提出するようショップに指示。
- エアライフル本体に刻印されたシリアル番号の写真
- 銃の全長と長さが分かるようにメジャーを置いた写真
- 銃身長の長さが分かるようにメジャーを置いた写真
10月27日
ショップから写真が送られてきた。
今度はちゃんとエアライフル本体のシリアル番号を撮影してきていた。
エアライフル本体のシリアル番号はパッケージと同じ「00-AA-11」方式だ。
エアライフルの全長の写真を見ると、やっぱりリコイルパッドも含めて全長の計測をしていた事が判明。
全長を修正した「譲渡等承諾書」を作るよう要請。
銃身長の写真は「譲渡等承諾書」と同じ長さのようだった。
相変わらず字が汚いことも再度伝える。
10月29日
見違えるほど綺麗な字で作成された「譲渡等承諾書」がメールに添付されてきた。
おそらく別人がサイン以外を全て記入したと思われる。
そうか、サイン以外は私が代わりにPDFで入力するという手があったか。
10月29日
譲渡等承諾書(英語版、日本語版)、エアライフル本体のシリアル番号、全長、銃身長が分かる写真を印刷したものも含めて持参し警察へ。
内容を確認してもらう、問題はないとの解答を貰う。
正式に所持許可申請の審査に入ってもらう。
5.エアライフルの所持許可から税関での受け取りまで
12月11日
エアライフルの所持許可がついにおりた。
6週間の時間を要した。
警察の生活安全課へ顔を出すといつもの担当者が不在だったので、所持許可証へのエアライフルの追加は他の人がやってくれた。
ショップに所持許可が降りた旨を伝える。
以前生活安全課の担当者から譲渡書を作成するように言われて書類を渡されていたのでショップに作成してもらう。
今回は間違いがないよう私が所持許可証を見ながら日本語でほとんど記入。
ショップが記入しなければならない部分(下の欄)だけは記入内容を指示。
そしてショップが輸出を行うのに必要な書類を全てスキャンしメール送信。
- ID(マイナンバーを渡した)
- 所持許可証の写真のあるページ
- 所持許可証の所持許可がでたエアライフルのページ
12月13日
ショップが記入した譲渡書に間違いがないか確認して欲しい旨のメールを受信。
サインが入っていなかったので訂正依頼。
すぐに訂正メール到着。
問題なかったので、エアライフルと譲渡書の発送を要請。
12月14日
エアライフルと一緒に購入したレールマウントも同じパッケージでEMSで発送したとメール連絡がある。
メールに記載されていたトラッキング番号をトラッキングサイトに登録。
12月16日
トラッキングサイトにて「現地の国際交換局から発送」とステータスが追加される。
1月7日
コロナの影響か、クリスマスとニューイヤーの影響か、航空便が少なくて順番待ちの荷物が多いのか、税関で止まっているのか・・・
ステータスは相変わらず「現地の国際交換局から発送」のままだ。
あまりにもステータスが変更されないので、最寄りの郵便局で相談してみる。
郵便局でトラッキング番号を調べてもらったが、サイトで得られる情報と同じだった。
現地に状況確認をする事も可能ではあるが返事が来るまで2−3ヶ月かかる可能性があり、通常は返事よりも先に荷物が到着すると言われた。
日本で荷物が止まっていればすぐに情報が入るけどね、と言われる。
1月12日
ついにステータスが「国際交換局に到着」「通関手続中」「税関から名宛人に照会中」に変わった。
あとは税関からのハガキが到着するのを待つばかり。
1月13日
税関から「外国から到着した郵便物の税関手続きのお知らせ」が届く。
ハガキの右側に記載されている細かい内容を読む。
届いた商品は銃だから荷物の受け取りには輸入承認証が必要だよと書いてある。
しかし輸入承認証は持っていないので、荷物を受け取るには経済産業省から「個人特例での通関」を了承してもらう必要がる。
経済産業省の「輸入承認要否照会フォーム(武器類)」に必要な情報を記入し、書類の画像をアップロードした。
記入方法やアップロードする書類については全て記入ページに説明があるので迷う事はないだろう。
ショップからインボイスは受け取っていないので提出していない。
12月14日
昼過ぎに税関へ電話を入れ、荷物の受け取りに必要な書類などを確認。
荷物に入っていたインボイスの商品の値段が0となっていて関税の計算ができないので、購入した商品の値段が分かる領収証などを用意して欲しいらしい。
税関に来る際にはエアライフルの所持許可証、身分証明証、税関からのハガキも忘れずにとの事。
輸入承認書を持ってないなら経産省からの「個人特例での通関」の了承がおりてから税関に来て欲しいと言われた。
税関は17時で終わりだから来るなら16時頃までに。
夕方に経産省から「RE: 輸入承認要否照会フォーム(武器類)」というメールが届く。
「個人特例での通関」の了承が降りた。
すぐに閲覧できるようスマホでスクショを撮っておいた。
12月15日
8時頃に山梨から車で出発。
9時に談合坂のサービスエリアから税関へ電話を入れてアポイントを取る。
11時頃東京国際郵便局へ到着。
「東京税関東京外郵出張所」の3Fにある税関に到着。
「電話の人」という事で奥のカウンターへ通される。
所持許可証と免許証と税関からのハガキを提出。
経産省からのメールはスマホの画面で見せればOKだった。
関税を計算する用のショップからの「エアライフルの金額と送料」の見積もりメールと支払い完了メールを印刷したもの、レールマウントの商品ページと支払い完了メールを印刷したものも提出。
税関にて所持許可証と免許証のコピーを取られる。
M870のページをコピーしてきて「所持許可証の銃と届いた商品の名称が合わない」などと言われたり・・・
税関でのやりとりが終わるとハガキの半分が手渡される。
15分くらいしてからゆうゆう窓口へいきハガキの半分を手渡し、待つこと10分くらいで窓口から呼ばれる。
関税を支払い、エアライフルの箱を手渡される。
自分の会社の用事を済ませてから山梨へ帰り、15時頃に自宅へ到着。
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6.警察でのエアライフルの確認
エアライフルと譲渡書を箱から取り出す。
インボイスを確認すると、確かに商品価格が0になっていた。
エアライフルのシリアル番号の場所を確認と破損がないか確認してからケースへしまう。
譲渡書、所持許可証、エアライフルを持って生活安全課へ。
担当者がエアライフルの現物を確認しながら所持許可証に目を通す。
シリアル番号の場所はわかりますか?と聞かれたのでここですよと指差す。
担当の顔色というが表情が変わるのがわかった。
所持許可証のシリアル番号とエアライフル本体のシリアル番号の記載方式が違うのだ。
エアライフル本体「00-AA-11」、所持許可証「00AA11」。
どうやら警察の銃の情報が登録されているシステムでは「-」は禁則文字なのか入力できないらしい。
警察のシステムの問題と、所持許可証に記入を行った人がいつもの担当者ではない不慣れな人だったというミスが重なった事による問題だ。
しかし所持許可申請前に提出していた書類では「00-AA-11」となっていたので、所持許可証を訂正する事で決着がついた。
その後は銃の全長(微妙に長さが違う)と銃身長(微妙に長さが違う)のチェックをしてもらい、無事エアライフルの確認が終了。
最後に一言
海外の人はフレンドリーでメールのやりとりは楽しいのだが(最初はMr苗字だったのが、いつの間にかMr.名前やMy friendに)、作業はかなりいい加減。
頼んだ事をなかなかやってくれないし、重要な部分で当たり前のようにミスをしてくれるので、エアライフルの個人輸入を考えている人は慎重に対応した方が良い。
譲渡等承諾書は必要な情報をショップから聞いて自分で記入(パソコンで入力)するのが間違いないだろう。
銃身長、全長、シリアル番号は最初から写真撮影してもらって、ショップと自分による2重チェック。
自分の名前や住所、その他は自分で記入。
ショップに記入してもらうのはショップの住所、電話番号、責任者の名前くらいか。
ショップのスタンプがあれば押してもらおう。
個人輸入は費用が安く済むので時間と手間を惜しまない人にはおすすめではあるが、エアライフルが故障した時のサポートは期待できない。
壊れたら破棄しても懐が痛まない程度の値段のエアライフルを購入した方が良いだろう。
私のようにいい加減な性格の人でも個人輸入できたので、皆さんも個人輸入はできる。
余談だが銃の名称も含め日本語訳にしろと言われたので
「GAMO G-MAGNUM 1250 IGT MACH1 」は「ガモ ジーマグナム 1250 アイジーティー マッハ1」となるところ「マッチ1」と翻訳ミス。
翻訳ミスそのままの名称で所持許可証に記載されてしまったので、このエアライフルを所持している限りずっとマッチ1が残る事になってしまった。
もし誰かに譲渡した場合も、その人の所持許可証にもマッチ1と記載されてしまうだろう。