弾頭作成用の純粋な鉛の在庫が減ってきたので、鉛を購入してきました。
スクラップ屋で鉛を購入するメリット
鉛の価格、上がりましたねー。
以前は1kgで200円だったんですけど「1万円で50kg売ってくれい」と言ったら断られました。
「1万円で40kg?」と交渉したら無理無理だって。
最終的に「1万円で30kgでどやー!」と交渉して渋々OKって感じ。
今は金属の値段が上がっていて、鉛の買取価格ですら180円らしいですよ。
「1万で30kgか〜」と思いながら、鉛を物色していたらペール缶に入った大量の使用済み空気銃ペレットを発見。
これがペール缶に入った状態で計量したら80kgあったんですけど、「これ全部買っちゃえば?」と従業員に言われました。
わかる!
ペール缶に入った4.5mmの空気銃ペレットをバラして売りたくないですよねー。
結局80kg全部購入したので、交渉の結果激安で購入できました。
鉛1kgはネットで購入すると
純度99.99%の鉛インゴットが1,000円〜1,760円+送料くらいです。
マジ高いです。
以前自分も純度99.99%の鉛を購入してみたんですよ。
20kgくらい購入して、1kgあたり1,000円ちょいでしたかね。
純度の高い鉛で弾頭を作る時に「弾頭の重さのバラつきがなくなるといいなー」とか、「綺麗な弾頭ができるといいなー」って感じで考えていました。
しかしですね、出来上がった弾頭は普通に重さにバラつきあるし、鉛の酸化で結局不純物も混じる(弾頭にくすみ)。
純度99.99%の鉛もスクラップ屋で買ってきた鉛も、出来上がった弾頭の重さに差はありません。
つまり
スクラップやで鉛を買うとネットで買う鉛の価格の4分の1から3分の1くらい
だから
安い
ただし、インゴットにする手間がかかる。
10kgなど少量しか鉛を使わない人ならネットで買った方が手間考えると安いです。
その場合はチップ型の鉛を買わないと、溶かすのが大変ですよ。
一気に30kgとか溶かすならスクラップ屋へどうぞ。
鉛を溶かす道具たち
鉛を溶かす作業は外でやってください。
作業中は毒ガスだらけですからね。
鉛をインゴット化する作業では
鉛から出る毒
鉛に付着している何かから出る毒
ロウソクを溶かした時の煙
など、有毒なものがたくさん出てきますので。
素人はガスマスク着用絶対必要。
私は風向きみて作業してるので、マスクしてないですけど、寿命は縮んでいると思います。
鉛を溶かす道具ですけど、何でも良いです。
熱源は、カセットコンロ・ストーブ・バーナー・電気など。
溶かす容器は、中華鍋・ステンレスのボール・土鍋など(底が丸い方が鉛を掬いやすい)
鉛を溶かすのに使用した容器では、料理とかしないほうが良さそうですので、捨てても良いものを使用するのが良いですね。
おたまは鉛を掬うのに使用しますが、先細りしているレードルが使いやすいです。
100均でも小さいのが売ってるからそれでも良い。
網は不純物を取る時に使ったりする、油かすと取るものや、豆腐を掬うものなどが100均で売ってる。
不純物を入れる容器はトレーでもボールでも何でも良いけど、アツアツになるので溶けないものを。
ロウソクは100均で。
これは不純物を取ったり、鉛をしっとり?させたり、鉛をピカピカにするワックス的な要素があります。
インゴットを作成するのに、適当な大きさの金属容器。
鉛の入った容器は熱いので、今後も鉛を溶かすならモールドを購入してしまった方が良い。
あとバーナーもあったほうが良いですね、鉛を強引に火炙りにするのに使用します。
鉛を溶かすとは、すなわち不純物との戦い
鉛は330度くらいで溶けるんですけど、溶かすと鉛に含まれている純粋な鉛とは異なる「不純物」が浮いてくるんですね。
不純物は鉛の中に入っているだけではなく、鉛の外側にも付着しています(砂・埃・酸化鉛など)
通常鉛は常に空気に晒されているので、溶かしたら不純物が出てくるものなんです。
釣りの錘あるじゃないですか、ガン玉とか。
表面が黒っぽいのは、鉛が酸化しているからなんですね。
不純物って砂とか赤錆ならわかりやすいですが、酸化鉛とかは金属色だったりしてわかりにくかったりします。
酸化鉛とか酸化した錫とかってベトベトしているので、これがメルティングポットの細い口に詰まったりするんです。
厄介なので、極力取り除きたいですよね。
今回買ってきた鉛は空気銃のペレットがほとんどでしたが、ペレットと同じような大きさの小石なども含まれていました。
買ってきたままの鉛をいきなりメルティングポットに入れて溶かし始めると色々厄介。
購入してきた鉛は一度完全に溶かし、不純物を極力取り除き、ロウで潤いを与え、使いやすい大きさのインゴットにする必要があります。
鉛を溶かす
はじめに鉛を溶かし始める場合は、小さい鉛があればそれを最初に投入した方が良いです。
鍋に鉛が触れている面積が多いので、鉛に熱が伝わりやすく鉛は早く溶けます。
もし鉛が大きく鍋と触れる面積が小さいなら、バーナーで鉛を直接炙ると早く溶けます。
ある程度鉛が溶けたら、大きい鉛を入れると良いです。
液状の鉛が溶かす前の鉛にまとわりついている=熱が伝わる面積が大きいからですね。
最初は不純物はそれほど気にしないで、鉛をどんどん溶かしましょう。
ある程度の量の鉛が溶けたら、不純物を取り除きます。
不純物を取り除く
鉛が溶けたら、おたまでしっかりと鉛をかき混ぜます。
鉛は比重が重たいので不純物は鉛の表面に浮かんでくるのですが、鉛に閉じ込められた不純物は浮いてきません。
鍋の底や側面に不純物がたくさん残っているので、おたまで擦るように不純物を鉛の表面に浮かべるようにします。
ある程度不純物が浮いてきたら、網で不純物を掬い取り、ボウルなどに捨てましょう。
なるべく不純物だけを取り除くようにした方が良いですが、最後に不純物をまとめて溶かし直すことで、鉛を救出することもできます。
ロウソクを鉛に入れる
鉛に閉じ込められた不純物は、かき混ぜただけで全て取り除くことができないと思います。
不純物を取り切ったと思うタイミングで鉛にちぎったロウソクを投入。
ロウソクが溶けるので、すかさずおたまで鉛と混ぜ合わせます。
ロウソクにより大量の煙が発生するか、ロウソクに火がつきます。
火は結構大きく上がりますので、ロウソクを混ぜてる時は顔を鍋の上に近づけないように。
ロウソクが溶け切ると煙が出なくなる代わりに、不純物が鉛の表面に浮いてきます。
ロウソクを入れるのは不純物を取り除くだけではありません。
過去にロウソクを入れないで作成した鉛インゴットがカピカピの切り餅のようになった事があります。
ずっと鉛の質が悪いものだと思い込んでいたのですが、溶かし直すときにロウソクを入れたら、他の鉛と同じようになりました。
もし、鉛インゴットの表面が白っぽい、粉っぽい感じがしたら、溶かし直してロウを入れてみてください。
あと、鉛がピカピカになるのと、酸化もしにくい感じ。
インゴット型とインゴットは水で冷やす
鉛から不純物を取り除いたらインゴットに鉛を流し込みます。
インゴットに入れた鉛がある程度固まると、鉛の表面の色が変わってくるので判断しやすいです。
しかしこれで完全に固まったわけではないので注意。
このままインゴットを取り出すと、まだ固まりきれていない鉛が中からどろ〜、っと出てきます。
鉛の表面が固まったら、インゴットの型を水で冷やすのがおすすめ。
バケツに入れた水が楽で良いですね。
型が水でジュ〜、ってならなくなったらインゴットは固まっているはず。
型からインゴットを取り出すには、トレーなどの上に取り出すと良いです。
トレーに出したインゴットはそのまま水に入れて冷やしてしまいます。
インゴットを冷やしておかないと、いつまで経ってもアツアツで邪魔になってくるので。
ある程度型とインゴットを冷やしていると、水が熱湯になるので水は適当に取り替える必要あり。
こんな感じで鉛インゴットは作られます
あとは同じことの繰り返しですね。
80kgの鉛をインゴットにするのに、動画撮影しながらでも4時間かからなかったと思います。
途中ガソリンストーブのガソリン補給を4回行ったので、4リットル位はガソリン消費したかな。
出来上がったインゴットは74.4kg位で、インゴットは157個。
スクラップ鉛は10%くらいは不純物になる計算なので、想定より多くのインゴットが作成できた感じ。
Lymanのインゴットは、Leeのメルティングポットに横向きで入れられるので便利です。
最後に一言
弾頭を作るのって結構面倒なので、メルティングポットで溶かす鉛が不純物だらけの釣りの錘だったら、とか考えたくないです。
弾頭を作る時もですが、鉛の表面が金属カラーじゃない時は鉛の温度が高すぎるサイン。
鉛の温度が高すぎても低すぎても弾頭は綺麗に作れないので、温度調整する時の目安にしてください。